2012年度地理B本試験[第4問問4]解説(別解)

<2012年度地理B本試験[第4問問4]解説(別解)>

 

難問だと思う。なぜなら、大豆油とトウモロコシの判定が困難だからだ。大豆とトウモロコシは栽培条件がほぼ同じであり、生産地域も重なっている。世界最大の大豆およびトウモロコシの栽培地域は、アメリカ合衆国コーンベルト。五大湖の南側に広がる平原地帯で、肥沃な土壌(プレーリー土)に恵まれ、混合農業が行われている。大豆とトウモロコシが栽培され、豚や牛の飼育がみられる。アイオワ州は、大豆とトウモロコシの生産量、豚の飼育島数において全米1位。

ただ、一つだけ救いなのは本問が小麦の判定だけすれば正解できるということ。大豆油(大豆)とトウモロコシは不明でも構わない。さぁ、どうなるか。

 

まず最もわかりやすいものとして「米」に注目しよう。いうまでもなく日本の主穀である。東アジア〜東南アジア〜南アジアのモンスーンアジアに世界の生産の90%gが集中(米を知らない場所が世界にはいくらでもあるのだ!)。日本に注目し、日本の値が縦軸、横軸ともに大きい④を米とする。横軸で見た場合、361・113・79・607であるので、④を米と見るのは問題ないと思う。縦軸で見た場合も、アメリカ合衆国の87やメキシコの64と比べて圧倒的に大きな数字であり、これも納得。ただ、キューバの値(635)が日本を上回っているのだ。これがよくわからないんだなぁ。。。キューバって米の国だったっけ?かなり疑問なんですが、とりあえず放置しておきましょうか。

さらにトウモロコシは判別できると思う。ここで重要になるのはメキシコ。メキシコが含まれる中央アメリカはトウモロコシの原産地であり、伝統的二トウモロコシが主穀として食べられていた。日本をはじめ多くの国ではトウモロコシは家畜の飼料として用いられているが、メキシコではタコスやトルティーヤなど料理の材料として重要。メキシコの値が圧倒的に大きい(縦軸、横軸ともに)③をトウモロコシとしてみよう。

アメリカ合衆国における値が94と低いのがちょっと気になる。アメリカ合衆国は世界最大のトウモロコシの生産国である。飼料(あるいはバイオマス(生物系エネルギー)としての利用。アメリカ合衆国ではトウモロコシからアルコール燃料を抽出している)としての利用が多いので、人の口には直接入る分は少ないということなのだろうか。ちょっとよくわからないが、これも放置でいいよね。

残った①と②、さてどちらが小麦でどちらが大豆油だろう。全体としては①の方が多く、②は少ない。とくに日本においては361と113であり、大きな違いがある。さて、どうだろう?問題文が長文の場合は必ずそこにヒントが隠されているという法則がある。本問の問題文はさほど長文でもないのだが、しかしよくみると注釈がある。大豆油について「サラダ油、マヨネーズ、マーガリンなどの原料となる」とある。うん、これで決めちゃっていいと思う。わざわざ書いているんやし。これらの食品(調味料)は西欧風の料理で主に使われるものであり、和食ではないね。欧米人の食事は日本に比べ油脂がよく使用される(これは知っておいていいと思うよ。肉だけでなく、油脂も多いのだ)。いずれの国でも①>②のバランスとなっているが、とくに日本において①と②の格差が大きい。日本人はパンや麺で小麦は比較的よく食べていると思う。それに比べれば、油脂の供給(消費)は欧米に比べれば少ないんじゃないかな。②をマヨネーズなど「大豆油」と判定し、残った①が小麦。

 

以上のような解説に書き直してみました。どうかな?納得の解放に思います。難問であることには変わりませんが。