ブログ 〔 マニアック放言録 〕
2014.10.19
新ガンダム と クロスアンジュ
さて、久々の富野ガンダム『Gのレコンギスタ』をご覧になっただろうか。
相変わらず複雑怪奇なストーリーに、持って回ったセリフ回し。
そして、必ずといっていいほど登場する王族・貴族階級。
『ターンAガンダム』の時から、彼の階級社会の設定には嫌悪感を禁じ得ない。
彼は身分階級に何かコンプレックスや憧れでもあるのだろうか。
しかし、人物画の設定と描写は秀逸。現行の他のアニメとは一味違う。
ただ、何となく時代的な古臭さを感じてしまう。アニメ進化の時間が止まったようだ。
まあ、それらは個性として受け入れられても、問題なのはガンダムのデザインであろう。
前宣伝が派手だった富野ターンAには、ガンダム・ブランドを大きく傷つけられたが、
今回もそれに負けないくらい“大期待はずれ”の醜いメカデザインになっている。
好き嫌いは個人の感性と受け取り方なので何とも言えないが、
長い歴史を持つガンダムシリーズのデザイン系列の中で、ダントツに“カッコ悪い” !!
現在放映中の他のメカデザイン、例えばアルジェヴォルンやマジェスティックプリンスのアッシュ、
そしてクロスアンジュのパラメイルなどと比べて、ガンダムならではの魅力があるだろうか。
ガンダムファンはこの現実をどう受け止めればよいのだろうか。
私が当ウェブサイトの本編ページで、近年のバルキリーを「折り紙細工」と評したけれど、
それら以上にバルキリーの進化型と思えるメカデザインが、上述のパラメイルである。
下はパラメイル(モビルスーツみたいな呼称)の中で、主役が搭乗する「ヴィルキス」のデザイン。
ロボット形状と変形機構は、新奇性の上にカッコ良さが備わった次世代デザインといえる。
その挑戦心を称える一方で、「航空機⇔人型兵器」の可変メカとして、気になる部分が3つある。
① 操縦士の安全を軽視したコクピット
物語上、操縦士は奴隷的な社会階級の者達になっているからかもしれないが、
空を飛ぶ航空機でありながら、コクピットはキャノピーで閉じられていないバイク型である。
アニメの演出上、バイク型というのが颯爽として新奇性があるけれど、実用性は極めて低い。
② 装甲形式による内部メカの露出
バルキリーⅡと比較すれば分かりやすいが、航空機形状と人型形状の両立を図るためか、
体表の一部が装甲形式になっており、部分的に内部メカが露出している。
デザイン構成上、賢い選択ではあるが、攻撃を受けた際の防御強度が気になってしまう。
③ 不完全な航空機としての形状
バルキリーとは違い、パラメイルは決して「飛行機」そのものに変形する訳ではない。
だから別に構わない訳だけれど、その縛りを緩くしてしまうとデザインの創意工夫が弱ってしまう。
ロボット時のガンダムSeedっぽい背中の羽根と、航空機とは呼びづらい飛行形態が中途半端。
もう一工夫して、この辺を何とかスパッと解決できなかったものかと残念だ。
アニメの物語はイマイチに感じるが、メカの登場する戦闘シーンはワクワクしながら見ることができる。
あとは、3D造形物の登場に期待だな。