2010年度地理A本試験解説

たつじんオリジナル解説 [2010年度地理A本試験]              

 

[1] ①

正距方位図法は、中心からの方位と距離が正しい。東京からみて、北極方向(この図の場合は上方)が北。これを基準として、左が西、右が東、下が南。よってペキンは北北西となる。

距離は経緯線の間隔らか概算する。シンガポールを通る赤道(経度0°)を基準に考え、東京は北緯35°、ペキンは北緯40°に位置する。北緯30°の緯線を確認しよう。赤道一周40000kmであるが、コサインを使って計算すれば、北緯30°一周は20000√3つまり34000kmとなる。東京とペキンの間の経度差は図より20°ぐらいと読み取れるだろう。20°ならば360°の18分の1。34000kmの18分の1ならば、約2000km程度だろうか。

 

[2]④

ア〜エの点はいずれも北緯60°に沿う点である。アとイ、イとウの軽度差はそれぞれ90°、ウとエの経度差は105°、エとアの経度差は75°と図から読み取れる。直線距離はもちろん北緯60°の緯線にまっすぐ沿うものではないが、目安にはなるだろう。

 

[3]②

A、B、Cの各エリアは、南北方向の距離は同じ。ポイントは東西方向の距離である。Bの底辺は赤道に当たり、同じ経度差15°ならば、ここが最も長くなる。面積が最も大きいのはBである。

 

[4]①

安定陸塊に属する北ヨーロッパ平原は地震災害は生じない。他はいずれも新期造山帯。とくにケには火山も位置する。

 

[5]①

HとGは寒冷であるので大陸氷河が存在する。Fは標高の高い地形(ヒマラヤ山脈、チベット高原)であるので山岳氷河が存在する。Eはロシアの平原。

 

[6]②

Jはバングラデシュ。高温多雨の自然環境で米が栽培されている。ガンジス川の三角州(デルタ)には広く水田が開かれている。

 

[7]③

Nの写真が印象的。細い海域の両岸に急峻な斜面が切り立っている。これがフィヨルド。U字谷が沈水し、葉脈状の深い入り江が形成されているが、シのノルウェー沿岸に発達。

Lは砕氷船であろうが、北海道の港湾は冬季には凍結し、とくにオホーツク海沿岸などには流氷が押し寄せる。北海道は流氷の南限(*)。スに該当。

残ったMはサ。ニューヨークの観光船だろうか。

(*)地理ではノルウェーの不凍港が強調されている。ノルウェーは北緯70°の港湾でも冬季凍結しない。それに対し北海道は北緯45°に達しないのに冬季は凍結するし、流氷にも覆われる。ノルウェーが「不凍港の北限」であるのに対し、北海道は「流氷の南限」。

 

[8]②

「牧場・牧草地」の割合が最重要。「草原(ステップ)」のことで、モンゴルに代表される半乾燥国において広い範囲を占めている。国土に乾燥・半乾燥地域が存在しない日本ではこの割合は極めて低い。よって②が正解。

①がカンボジア(森林が多いが、雨季乾季が明瞭な国であり、日本に比べ牧場・牧草地の値は高くなる)、③がアラブ首長国連邦(砂漠国であり「その他」の値が大きい)、④がモンゴル。

 

[9]〜[14] 地理Bと同じ。

 

[15]③

生活熱が伝わって地下の永久凍土層が融解するのを防ぐ。シベリアなどでも一般的な建築様式。

 

[16]②

ドイツはトルコ人の多さに特徴がある国。1960年代までの戦後復興期にトルコからドイツへと多くの労働者が流入した。

①がノルウェー、②がフランス、③がフィンランド。近接する国を考える。

 

[17]

 

[18]②

ブラジル人は、日系人の単純労働力としての流入で、主に自動車工業都市に多い。愛知県で最大となっている②が該当。他には静岡県や北関東など。

①はフィリピン。飲食業に従事する女性の入国が多い。③がアメリカ合衆国。沖縄の米兵など。④が韓国・朝鮮。大阪に多い。男女のバランスも普通(平均寿命が長いので、日本人全体でもやや女性の多いバランスとなる)。

 

 

[19]②

Aはギニア湾(ガーナ)でカカオ豆、Cはブラジルとコロンビアでコーヒー生豆。Bは消去法。

 

[20]③

そもそも日本は半導体の輸出国である。その中であえて「輸入」なのだからこれは難しい。単純に「日本の輸入国」というより「半導体の生産国」っていう観点で考えてしまっていいと思う。このような工業製品について最も重要になるのは中国。近年急成長を遂げ、現在は世界最大の工業国に躍進した。中国に注目して、中国の値が小さい(というか円が描かれていない)イが最も古い時代、それなりの大きさのアがそれに次ぐ時代、大きくなっているウが最近と仮定してみよう。これでつじつまが合わないところがないか?

イが1988年とすれば.この時期の輸入はアメリカ合衆国が圧倒的で、次いで韓国。韓国が1980年代に高度経済成長の時代を迎えていたことを考えれば、とくに不審な点はないだろう。

アは1998年だろうか。アメリカ合衆国の割合の低下が目立つが、ここで注目するべきは東南アジアだろう。1990年代を中心に日本から東南アジアに工場の進出が相次いだ。これも納得。

ウは2008年か?アメリカ合衆国の値はさらに下がっている。東南アジアは大きな変化はないが、やはりここでは中国の成長が目立つ。2000年代は中国の高度経済成長の時代なのだ。

以上より、仮定通り、③を正解とする。

 

[21]①

地理Aで時々みるパターン。航空機による輸送を考える。軽量高付加価値の品目の輸送に限定されるはずである。集積回路が上位に入っている①と④が空港であり、②と③が海港であると考えられる。成田空港と関西空港の比較だが、成田空港は東京大都市圏の空港であり、貨物の取扱量もかなり大きいと思われる。大阪大都市圏の関西空港はさほどでもないだろう。金額を比較し、①が成田、④が関西となる。

なお、海港は②が横浜港、③が名古屋港。東京大都市圏の巨大な人口を支える港である横浜港は食品や日用品の輸入が際立っている。

 

[22]①

これは覚えておいていいかなと思っている。「日本企業の海外現地法人」つまり日系企業の数は、1位中国、2位アメリカ合衆国、3位タイの順。まずMを中国、Kをアメリカ合衆国、Nをタイと代入してしまおう。

そうなると「日本に立地する外資系企業の親企業の国籍」はアメリカ合衆国が1位となり、これは妥当だろう。アメリカ合衆国にこそ世界的な活動をする巨大企業は多いはずである。

Lはドイツになるが、そもそもあまり企業数が多くない(1位のアメリカ合衆国の3分の1以下であるし、「日本企業の海外現地法人」の数と比べてもかなり少ない)ので、あまり考慮しなくていいだろう。

 

[23]②

①;プレート境界は太平洋の外周部など。海溝や海嶺の位置を確認しておこう。Aには大洋底が広がり、プレート境界ではない。

②;オーストラリアは東部の古期造山帯を除き、広い範囲が安定陸塊である。正文。

③;ニュージーランド(とくに北島)には火山が存在。環太平洋造山帯には火山が多い。

④;低緯度の温暖な海域にはサンゴ礁が発達(*)。

(*)ただしMのガラパゴス諸島は低緯度に位置するが、寒流の影響で水温が低く、珊瑚業は発達しない。

 

[24] ④

気温年較差で判定するのがベストだと思う。全ての都市が沿岸部に位置し、海陸の比熱差による気温年較差は考慮しなくてもいいからである。ここでは緯度が最大のポイントとなる。季節による太陽からの受熱量変化が小さい低緯度で気温年較差が小さく、変化が大きい高緯度で年較差も大きくなる。

赤道に近いホニアラで③、4地点中最も緯度の高いパースで①。ダーウィンとリマはほとんど緯度の差はないが、ここではリマの気候に注目しよう。沿岸を寒流が北上し、その影響で大気が安定し、降水量が極めて少ない。②がリマとなり、残った②がダーウィン。南緯10°付近に位置し、夏季(1月を中心とした時期)には南下する赤道低圧帯の影響で多雨、冬季(7月を中心とした時期)には北上する中緯度高圧帯の影響で少雨。

(*)リマとダーウィンは気温で判定してもいい。沿岸を寒流が流れているリマの気温は、同緯度の他の地点よりやや低くなっている。

 

[25]

アはモアイ。イースター島(チリ)である。

イはゾウガメ。ガラパゴス諸島(エクアドル)である。

ウは火山。ハワイ諸島はプレート境界ではないが火山がみられる特殊な地域。

 

[26]③

チリに集まっていることから判定していい。

 

[27]①

ASEANは東南アジア諸国連合。加盟国は東南アジア10カ国であり、オセアニアは該当しない。

[28]③

移民の言語が公用語とされることはない(*)。ニュージーランドの公用語は旧宗主国の言語である英語と、先住民の言語であるマオリ語。

(*)シンガポールのようにそもそもの移民国家は例外)。

 

[29]④

旅行者数の問題は本当に難しい。距離や歴史的な関係だけではなく、経済レベル(1人当たりGNI)や人口規模まで総合的に考えなくてはいけない。

とりあえず今回は全て1人当たりGNIの高い高所得国なので、経済的な条件は同じ。距離も大きな違いはなく、過去に宗主国・植民地だった関係もない。ただし、人口はシンガポールが500万人、オーストラリアが2000万人、日本が1億2000万人とかなり違っている。これは一つのヒントとなるだろう。

また絶対的な知識として知っておいてもいいと思うのだが、日本は「国内から国外への異動者数>国外から国内への移動者数」という統計的な事実がある。これとも照らし合わせて考えていこう。

日本の人口の多さ、出国者が入国者より多いというバランスから考えて、Qを日本と仮定する。

PとRの判定が本当に難しいのだが、ここもやはり人口で決めてしまうしかないんじゃないか。Pがシンガポール、Rがオーストラリアと置いてみる。オーストラリアからシンガポールに「62.0万人」の旅行者は多いと思うのだが、その反対ってことはいくらなんでも有り得ないでしょ。人口の10%以上がオーストラリアに旅行って!?よって④が正解とか考えられないのだが。これが誤りならば、ボクの力の限界です。

 

で、正解を確認。④だった!良かったぁ〜。

 

[30]④

乳児死亡率は1人当たりGNIに反比例する。欧米とアフリカ(とくに中南アフリカ)を対比すればいいだろう。アが乳児死亡率。

1人当たり二酸化硫黄排出量は、石炭の消費と結びつける。中国は世界最大の人口を有する国であり、世界人口の5分の1は中国人であるが、石炭の産出はそれを上回る40%。1人当たりの石炭使用量も大きいとみていいだろう。中国が『高』となっているウが該当。

 

[31]④

「プランテーション農業が発達したことなどにより、他の地域に比べて穀物自給を達成している国々の割合が大きい」という文章を自信と確信をもって誤文と判定できるか?プランテーション農業で栽培される作物は商品作物。天然ゴムやカカオ、コーヒー、サトウキビなどであり、食料(食糧というべきか)にはならない。商品作物を栽培し、それを輸出して外貨を稼ぐ。それにより海外から自給作物(アフリカ諸国はヨーロッパから小麦を輸入している)を買うという歪んだ経済構造を持つ。

 

[32]⑤

90年代初頭より小麦の代表的な輸出国だったBがオーストラリア。農業の近代化が進まない中国や、ソ連崩壊により混乱期に会ったロシアが当時から小麦を輸出できていたはずがない。

最重要はA。混乱期から脱し、ロシアは小麦を商業的に栽培できるようになった。その生産はアメリカ合衆国をも凌ぐ年がある。Aがロシア。

アジアに含まれる中国は原則として自給的な農業が営まれる。輸出量は少ない。しかし、それでもあの巨大な人口に対し、米や小麦が自給できている(しかも少量ではあるが輸出されている)のは驚きでしかない。

 

[33]②

「緑の革命」は農業の近代化。化学肥料や農薬の使用も行われている。そのため、そうしたものを買うことができる富裕層にのみ恩恵が集中したという側面もある。

 

[34]①

石炭をキーワードにすればいいだろう。②は韓国(オンドルという暖房方式)、③はタイ(運河)、④がメキシコ(標高が高い盆地)。

 

[35]④

なかなかヒネった選択肢に関心したりして。④はベクトルの向きが逆だね。旧市街の住民が郊外に行くのではなく、市外から訪れた人々が駐車場に自家用車を預け(パーク)、路面電車に乗り換えて(ライド)、市街地へとやってくり。「パーク・アンド・ライド」である。

 

[36]②

カ サイクロンはインド洋の熱帯低気圧。Xのバングラデシュが該当。第1問に続いてこちらでも場所が問われている。

キ 独立運動ということで21世紀になって独立を果たした東ティモール。Zが該当。

ク 内戦の国であるカンボジア。Yである。

 

 

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