2002年度地理B追試験解説

2002年地理B追試験

本試験を見た時にセンター試験の傾向が変わりつつあることを実感した。統計資料などをそのまま用いていたり、やや知識が問われているな、と。それに比べれば追試は以前の傾向を踏襲して、あまり変化がない印象。思考問題が多い。ただし「外来河川」「スプロール現象」など地理用語の意味を直接問う問題があったりして、その辺りはちょっと特徴的な感じがする。

 

第1問 自然環境の問題。最近は第1問は特定の国や地域の地誌が続いていたので、ちょっと意外かな。以前はこんな風に自然環境が第1問っていうパターンは多かったんやけどね。全体的にオーソドックスな問題が並んでいて十分に全問正解が狙えると思う。

 

問1  00B追第2問問1と似たような問題かな。ちょっと違うけど。でも「バルト海の出口で1月平均気温0℃」っていうのと「シベリア内陸部で1月平均気温―40℃」っていうネタはやっぱりここでもポイントとなっているんで、要求されている知識の量と質は同じってことやね。

というわけでXはバルト海の出口を見たらいい。ここは緯線はだいたい北緯60°くらい。図2において、北緯60°のところに線を引いてみよう。そうするとイの曲線で、北緯60°がほぼ気温0℃となる。これがXの1月と考えていいだろう。

で、同様にアにおいて緯度60°付近の気温はー40℃くらいとなる。これがYの1月だろう。

これで選択肢が3か4にしぼられた。ここからはウとエの判定である。

夏の気温というのは冬の気温に比べてはっきりと地域ごとの差異が出にくいものなのだ(例えば北海道と沖縄の夏の気温差は10℃もないが、冬は30℃以上違う)。実際にウとエのグラフの動きもかなり似通っている。でも実は冬である南半球までなぜかほとんど2つの曲線は重なっているんやねぇ(涙)。これでは判定できない。

というわけで、唯一、はっきりとウとエが異なっている箇所に注目するしかない。それが北緯20°から30°にかけての部分である。図2において北緯25°のところに横線を引いてみよう。エは25℃くらいかな。これは日本でも見られる標準的な気温である(そうそう、言い忘れていたけれど、気温判定問題においては常に日本というか自分が住んでいる町の気候を思い浮かべることが大事。我々の生活している空間の気温や降水とグラフに表されている地域の気温や降水がいかに似ていていかに異なっているかを想像することで問題が解きやすくなる)。それに対し、ウは35℃である。これは異常!日本でこんなことが考えられるか?日本の夏は一般的にシンガポールより暑いと言われている。つまり熱帯の赤道直下でも7月の平均気温が35℃なんてことはありえないのだ。というわけで、このエの25°付近はかなり特殊な気候の現れる地域となる。図1に戻って、北緯25°に線を引いてみよう。さあ、どうかな?ホンコンやキューバを通る線だよ。

Xと北緯25°の交点は何だ?そこにはサハラ砂漠が広がる。内陸性気候の地域であり夏季の気温は極端に高くなるはずだ。というわけで正解は自ずと導かれる。

 

問2 土壌と農業の問題。土壌についてはこのような出題パターンに慣れておいてほしい。つまりカタカナ言葉が登場するのではなく、その色や化学的特質などを文章で説明するのである。つまりインドの土壌を「レグール」と覚えるではなく、「玄武岩の風化土壌で水はけが良い。綿花の栽培に適した黒色土壌」というようにインプットしておかなければいけない。Qの土壌はカなのだが「レグール」という言葉自体を知らなくても解ける。カタカナ言葉を中心に暗記するという勉強方は意味がない。

キは熱帯の土壌の説明。ラトソルというがこれも名称は重要ではない。最も大事なのはボーキサイトを含む土壌であるということ。ボーキサイトとは酸化アルミニウムのことである。熱帯地域は降水が多いため、土壌に含まれている金属分子が酸化してしまう。この土壌が赤色なのは錆びた金属が含まれているからである。また多量の降水は土の中から肥沃な有機養分を押し流してしまう。熱帯といえば植物が多く、腐植土に恵まれたイメージもあるが、それらはほとんど水溶性であり流されてしまうため、実は栄養分の乏しいやせた土壌となっているのだ。キは熱帯の土壌であり、Pの地域に分布する。

残ったクがRである。灰白色は冷帯地域に分布するポドゾルの特徴。

土壌について簡単にまとめてみよう。

まず成帯土壌から。これは気候帯や気候区の分布に沿って広い範囲に見られるもので、気候と結びつけて理解するといいだろう。

熱帯のラトソル、乾燥帯の砂漠土、冷帯のポドゾル。湿潤土壌であるラトソルとポドゾルは酸性土壌、乾燥土壌の砂漠土はアルカリ性土壌。いずれも農耕には適さない。ラトソルの赤色、ポドゾルの灰白色という色も知っておくといいだろう。

また成帯土壌として重要なものに、やや乾燥した草原地域に分布する黒色の土壌がいくつか挙げられる。降水による有機養分の流出がないので栄養分豊かな肥沃土となる。ウクライナのチェルノーゼム、北アメリカのプレーリー土、ウルグアイやアルゼンチンのパンパ土など、名称こそ違うが同じ種類の肥沃土であり小麦の栽培に非常に適している。

またかつては北極海沿岸のツンドラ地域に分布するツンドラ土についても出題されたことがある。

間帯土壌について。成帯土壌ほど広い地域に分布しているわけではなく、局地的に見られる土壌。火山や溶岩、氷河の作用などによって形成された。

インド半島のレグール土。玄武岩の風化土壌。黒色。綿花栽培に適する。

ブラジル高原のテラローシャ。玄武岩などの風化土壌。赤系統の色。コーヒー栽培に適する。

地中海沿岸のテラロッシャ。石灰岩の風化土壌。赤系統の色。オリーブの栽培地域と一致している。

ハンガリー盆地のレス。大陸氷河によって削られ氷河の外縁部に堆積した腐植土が風でばらまかれた。小麦やトウモロコシの栽培。

中国のレス。黄河上流の黄土高原から風で運ばれた。小麦やトウモロコシの栽培。

地中海のテラロッサは97B追第5問問4選択肢2で、ハンガリーレスは01B本第3問問4選択肢3で、それぞれ取り上げられている。

 

問3 植生の問題。例えばセンター試験では「地中海性気候には硬葉樹」というネタがしばしば登場するのだが、ここではそれは問われていない(図3にある「地中海性常緑広葉樹」というのが硬葉樹のこと)。しかも植物の名称で解答しないとあかんのでちょっとツライか?「生物」を重なるところなので生物履修者なら簡単なんだろうが、生物の勉強をしていない者にはチンプンカンプンやな。まぁ、ここは生物履修者へのサービス問題と思って諦めるか!?

一般的な考え方としてはこういう感じ。aのような冷涼な地域に分布するのは「針葉樹」。選択肢より針葉樹はツのモミ・トウヒ。トウヒはともかくとして、モミは知ってるよね。クリスマスツリーなわけだし、葉を触ってみるとたしかに針のように尖っている。よってaはツとなる。

タとチはともに広葉樹。針葉樹が冷涼な気候に適するのに対し、広葉樹は熱帯から温帯の温暖な地域に見られる。針葉樹と広葉樹の決定的な違いは何かといえば、それは幹の硬さなのである。冷涼な地域では太陽光線が弱く、水分蒸発があまり活発ではない。そのため樹皮には水分蒸発を押さえる必要性が求められなくなるので針葉樹には「軟木」が多くなる。逆に日差しが強く気温が高い地域の樹木は硬くなる。熱帯の樹木をはじめとする広葉樹には「硬木」が多い。

で、ここからなのだが、bとcはともに温帯である。bはヨーロッパ西部の気候、cは中国南部の気候。ただし全体の気温としては後者の方が高いはずだ。ロンドンやパリと、ホンコンとを比較して考えてみたらいい。というわけで樹木の材質がより硬いのはどちらだろう。それはcの地域ではないか。選択肢より「シイ・カシ」と「ブナ・カシワ」、さあ硬いのはどちらか?そもそもカシとは「木へんに堅い(樫)」と書くではないか。というわけで、cがシイ・カシ、bがブナ・カシワとなる。

そもそもヨーロッパ西部の気候である西岸海洋性気候はブナ気候とも呼ばれているのだ。樹木の種類というちょっと変わった問題ではあったが、何とかクリアしてもらいところだ。

 

問4 文章正誤問題。正文を選ぶわけで、つまり3つの誤文を探さないといけないわけで、ちょっと骨が折れるかな。でもかなりいい問題だと思う。気候についての根本的原理が問われる。付け焼刃的な表面的な知識はボロが出る。

1;これが違うことは容易にわかるだろう。固体の方が液体よりも比熱が小さい。つまり暖まりやすく冷めやすい。夏季は陸上の空気の方が海上の空気より気温が高くなる。陸上の空気は膨張し、上昇気流も活発な低気圧となる。海上の空気は収縮し、高気圧となる。これにより海から陸への風が吹く。これが夏季の季節風のシステムである。

2;98B追第5問問1参照。低緯度の高原都市(赤道直下で標高2500mの都市)の気温グラフが示されている。

00B本第5問問2でラパスの気候グラフが出題されているのでこれも参考にしてみよう。ラパスはボリビアの首都で高原都市の代表例。標高4000mというのだから、標高100m上昇するごとに気温が0.55℃ずつ変化していくという気温の逓減を考えれば、海面(標高0m)より20℃以上気温が低いってことになる。ラパスの年平均気温は10℃を下回る。

そもそも気温の年変化とはどのような原因で生じるのか。それは季節による日射量(日射時間)の変化である。赤道直下の地域では、一年を通じて昼の時間(太陽が出ている時間)が12時間で等しい。6時に太陽が出て、18時に沈む。それに対し、高緯度の地域ではそのバランスが崩れる。緯度が高くなればなるほど、夏季には太陽の出ている時間が長くなり、冬季には逆に夜の時間が長くなる。日本では、夏季の昼夜バランスは14時間と10時間くらいであるが、ヨーロッパでは16時間と8時間くらいになる。とくに北極圏や南極圏では、夏季に白夜(昼が24時間)、冬季に極夜(夜が24時間)となるわけで、高緯度地域の昼夜間バランスの極端さを想像してみてほしい。このシステムは結局、地球が地軸を傾けて公転しているから起きる現象なのだが、その説明をするとかなり手間がかかるんでここでは省略します。許してね(涙)。

というわけで、赤道直下の地域は1年を通じて昼と夜の長さが12時間ずつなわけで、これでは気温の年較差が生じるわけがない。沿岸部であろうと内陸部であろうと。前述したボリビアのように高原地域ならばその分だけ気温が下がることはあるものの、1月と7月の気温に差が生じるわけではない。

このように基本的に同緯度の地域では(標高が同じならば)気温がほぼ似たようなものとなり、気温年較差も同様。しかし、ここで考えなければいけないのが海洋性気候と大陸性気候の差。暖まりにくく冷めにくい海洋の影響を受ける沿岸部では、夏季の気温はより涼しくなり、冬季の気温はより温暖となる。それに対し、暖まりやすく冷めやすい大陸中央部では、夏季の気温はより高くなり、冬季の気温はより低くなる。このような同緯度帯における海陸の影響による気温年較差の大小は、02B本第5問問1や02B追第3問問2のイズミルとタシケントの判定などでポイントとなっている。「気温年較差を決定する最大の要因は緯度であり、海陸の分布はそれを増幅する作用がある」というように考えよう。

まあ、という感じで、海岸部では気温年較差が小さく、内陸部では気温年較差が大きい、なんて丸覚えしている者はここでつまずくぞ!気温の季節的な変化の原因と、昼夜の長さを結びつけて考える論理的な思考能力が求められている。

4;この選択肢はおもしろいな。微妙な、それでいて決定的なところが誤っている。「フェーン」という言葉はよく登場してくるし、知っておいてもいいと思う(カタカナ言葉は地理では覚える必要はない。しかしこの「フェーン」という言葉は「フェーン現象」として一般生活の中でも用いられるものだよね。だから知っていて当然とも言える)。

地形性降雨って分かるかな?風が吹くと雨が降るってやつだ。水分を含んだ湿った風が山脈に当たる。山脈に沿って持ち上げられることによって冷やされ、雲となる。よって風上斜面側は湿潤な気候となるわけだ。それに対し、山脈を越えて風下斜面側に吹き込む風は水分を使い果たしてしまったため乾燥した風となる。この風とフェーンと呼ぶ。つまりフェーンとは乾いた風なのである。よって選択肢4は誤りとなる。

フェーンについてもっと理解を深めていこう。

湿潤な空気と乾燥した空気とでは標高差による気温の逓減率が異なる。通常の状態(湿潤な状態)の空気の逓減率は、標高100mにつき、0.55℃。標高0mと1000mの気温差は5.5℃ということ。それに対し、乾燥した空気の逓減率は100mにつき、1.0℃。

海面付近を吹く気温20℃の空気があったとする。それが標高1000mの山脈にぶつかる。山頂付近まで持ち上げられた空気の気温は14.5℃である。この空気は雲をつくり、水分を使い果たした状態で風下斜面側へと流れる。山頂で14.5℃であるが、乾燥した空気は1.0℃/100mの割合で気温が変化するので、標高0mに達した時には気温が24.5℃まで上昇することとなる。

このように風下斜面側に乾いた高温の風が吹くわけだ。これをフェーンと呼ぶ。元々はアルプス地方に吹く地方風だったんだが、現在では一般名詞として、世界のどこだろうと似たような風をフェーンと呼び、さらにフェーンによって時々異常な高温がもたらされることがあり、これをフェーン現象と呼ぶ。日本でも夏季に日本海側の都市で40℃近くの異常な高温に見舞われることがあるが、これなどはまさにフェーン現象。夏季は南西から季節風が吹くね。だから太平洋側で降水量が多いわけだが、日本列島を越えて日本海側に吹き込み風は乾燥している。この風が激しい高温の原因となっているのだ。

というわけで、消去法により3が正文となる。

 

問5 いやぁ、これもおもしろい!99B追第1問の問題を引用した形になっている。過去問に習熟した者ならば解答は容易であるが、そうでないものは問題自体のコンセプトが理解できない。

本問の元ネタとなった00年の問題で触れられているアマゾン川の特殊性とは、比較的流量に変化があること(問1選択肢1のグラフ)、内陸水運の要所として重要であること、商工業都市マナウスが天然ゴムの集散地を起源として発展してきたこと(問6)などである。センター試験では河川の出題が多いのであるが、その範囲は外来河川にほぼ限定され、例えばミシシッピというメジャーな河川よりもコロラド川の出題が多かったりする。そういう意味ではアマゾン川はやっぱり取り上げられることがあまりない河川なのだが、逆に00年の出題は特殊な意味を秘めていたというわけだ。

00年の問題を確認して、さらに本問の選択肢を検討していこう。

となると真っ先に疑わしく思える言葉が1つある。それは「ダム」である。アマゾン川は可航河川として重要なのである。大型船舶が航行し、河港都市マナウスは水運交通の結節点として栄えている。そんな河川にダムを造ってしまっていいものか。船舶の航行が妨げられ、さまざまな物資の運搬が不可能になってしまうではないか。たしかにブラジルっていうのは水力発電のさかんな国ではあるねんけど、ことアマゾン川に限ってはダムの建設は見られないと考えるべきである。

可航河川として重要なもの;アマゾン川・ライン川

ダムが建設されているもの;ナイル川・コロラド川

この関連問題としては00B追第3問問4選択肢2の中国地誌に関する問題がある。ペキン付近に大規模なダムが造られたというのだが、そんなことがありえるだろうか?ペキン周辺には華北平原が広がる。そもそもダムとは山間部に造るものである。平野にどうやってダムが存在できるというのだ?

それと同様な考え方もできると思う。アマゾン流域は巨大な低地であるので、とてもじゃないがダムなんか建設不可能だ。

大規模なダムではないが、かつて砂防ダムについての出題が続いたことがあった。98B本第5問問4と99B本第4問問7。砂防ダムとは日本の山間部などによく見られるものであるが、発電を目的とはせず、河川の流れの急なところに建設して河川の流水速度を抑えたり、上流から運ばれてくる土砂をせき止め下流への土石流などの被害を抑えたりする役割がある。ダムは災害や環境問題と関わる重要なキーワードであるので今後も出題が予想される。

 

で、ここまで書いて後日、僕はとんでもないミスをしていることに気付きました!この問題の正解(つまり誤文)は3だそうで、実は僕はここでは4が答えだと確信していて、そのつもりで解説を作ってしまったということなのです・う~ん、全くわからんかった。ごめんなさい。。。

ちゅうわけでかなり混乱した人もいたのでは?つまり僕自身ガチンコで間違えたわけで、もはや解説する資格なしというわけなのだ(涙)。

しかし、言い訳っぽいけれど、本問については4こそが誤文としてふさわしいと思うのだが君たちの見解はどうだろう?その根拠をいくつか挙げてみる。

まずアマゾン川は国際河川として重要であり、国際河川というのは沿岸諸国の自由航行が認められた内陸水運の要衝であり、そんなところにダムなんて造ろうものなら船舶の通行が妨げられ、水運どころの騒ぎじゃない。外洋から船がアマゾン川をさかのぼってくる様子については99B追第1問問6選択肢4(この選択肢は誤文である)で話題とされている。同じく選択肢2でマナオスについての記述もあり、ここがかなりの大都市であることがうかがえる。

またアマゾンは巨大な低地なのだが、そんなところにダムなんか造ったらどうなる?普通ダムは河川上流の山岳地域に造るよね。ダムをせき止め、谷に沿ってダム湖が形成される。97B追第4問問4図2bにダムによってせき止められたダム湖が描かれているので参照するといいだろう。平野部にダムが存在しないという話題に関連するネタとしては、00B追第3問問4選択肢1。水力発電は原則としてダムを建設することによって行われる。ここでもペキン郊外に水力発電所が建設されたとあるが、これはつまりペキン郊外にダムが建設されたということであり、そもそも河川の下流部にあたる華北平原にダムが造られるはずもなく、そのことから本選択肢を誤文と見なすことができる。

また図4を参照する。ダム湖らしきものはあるだろうか?河川の流れが実線で表され、海や河川下流部などが灰色に塗りつぶされているのだから、ダム湖も上空から描かれた水面の部分として図中に見られて当然である。それらしきものは図の中にあるか?これがないんやなあ、実は。地図の判読問題と考えても、ダムの存在は否定されている。

さらに、ちょっと裏技っぽいけれど、選択肢4に「大規模」ってあるよね。文中にこんな大げさな表現があればまず疑ってかかるのが人情ってもんや。現代文なんかの問題でも怪しい文って分かるやん。「大規模」も怪しいとは思わん?それに大規模ならばそもそもこの図中にダム湖が見られるだろうし、あるいはナイル川におけるアスワンハイダム、長江のサンシャダム(これは建設中やねんけど)などのように名称として知っておくべきものになっているはずである。でもそんなん知らんし。

というわけで4を誤文としました。1と2については、99B追第1問問6や01A本第3問問3などでアマゾンの熱帯林破壊についてはしばしば話題とされているので、正文と見なしていいだろう。3はたしかに怪しいんだがなあ(涙)。                               

 

問6 まさに99年の問題をそのまま利用した問題。アマゾン川は意外に季節による水量の変化が大きい。99B追第1問問1選択肢1のグラフ参照。

1;アマゾン川のような勾配のゆるやかな川で土石流の心配はない。そもそも流域に火山はあるか?一応、アンデス山脈の辺りにはあるのかな?それでもそれらがマナウスに被害を及ぼすとは思えない。

3;マナウスは内陸部の都市である。まさかここまで海水が逆流してくるとは思われないが。

4;ハリケーンは北米大陸における熱帯低気圧の名称。ここでポイントとなるのは、熱帯低気圧は原則として海上で発生し発達するということ(01B追第3問問4選択肢4)。だから熱帯低気圧が被害を及ぼす範囲も島嶼(とうしょ)や沿岸部に限られる。マナウスは内陸部やしな~。熱帯低気圧がやってくるとは思われへんね。

 

第2問 すごくありがちな問題。追試を作ったスタッフは果たしてやる気があったのだろうか???なんて言っては失礼かな(笑)。でも変に凝った問題を出されるより、こういった過去問を意識したオーソドックスな出題の方が問題としての質は高いと思うし、解きやすいから君たちにもお得ってわけやで。この大問はぜひ全問正解を狙ってほしい。

 

問1 都市の形成について。常識的な範囲で考えられるし、いい問題だと思う。

最も古いのはイではないか。T字型の交差点は城下町などに見られ、見通しを悪くして防御機能を高めるもの。城を中心に町が形成された中世のなごりみたいなもんだろう。職業を示す町名というのも、例えば僕の実家は城下町として発展した都市にあるのだが、近所に「銭座」「瓦場」「馬場町」「呉服町」などいかにもかつてどんな職種の人がそこに住んでいたのか想像できるような名前を持った町があちらこちらにある。

最も新しいのはウだろう。多くの住宅が郊外に建設されている様子を思い浮かべればいい。企業などが集中する大都市の郊外にはニュータウンと呼ばれる住宅機能の特化した衛星都市が多々見られる。

 

問2 都市の内部構造に関する問題。頻出。類題多数。

1;いわゆるCBD(中心業務地区)というもの。都心部に形成される。

2;ドーナツ化現象を考えればいいだろう。近年は再開発などにより都心地域に高層マンションが建設される場合もあるけれど、それでも一般的に考えて都心地域の人口は流出しているのだと考えよう。

3;「最寄り品」!これは大事な言葉やね~。今回初めて出たのだけれど、最寄り品っていう言い方はものすごい重要。センター地理ってこういう日本語の言葉ってすごく好きやん。だから今までこれが登場しなかったのが疑問だった。でも今回こんな形で登場したわけやし、これからはよく出てくるんちゃうかな?

「最寄り品」というのは身のまわりの物という意味で、日用品というか、日常的に消費するような物を考えればいい。例えばコンビニで売っているような物ね。反対語が「買いまわり品」。こちらは購入する際にいろいろなところをまわって選んでから買う品のこと。デパートで売っているような高級品、あるは自動車や電化製品など一旦買ったら長い間使用できるものなど。この最寄品と買いまわり品の区別はそれほど厳密にする必要こそないけれど決して紛らわしいものでもないと思う。食品は最寄品、耐久消費財は買いまわり品って感じでイメージしたらいいんじゃない?衣類なんかでも、下着などは最寄品で、高級ブランド品は買いまわり品。この区別も分かりやすいね。

というわけで3の選択肢に戻るが、「都心の商店は最寄品を売る店が中心となっている」のだろうか?ここで意識するのは「都心」と「郊外」の対比、そして「最寄品」と「買いまわり品」の対比。地価が高い都心ではより高価な品を扱う商店が存在しているはず。周辺から買い物客が集まってくるのだから、ここでしか手に入らないような特殊な品が売られていることもあるだろう。それに対し、郊外は主に居住のための空間であり、人々は日常生活に必要な品を近隣で買い求める傾向があるはず。よって「都心=買いまわり品」「郊外=最寄品」の公式が成り立つはず。

4;「都心に工場はない」のセオリーに準じている。簡単やね。類題は00B追第1問問1、99B追第2問問3、98B追第3問問4問6等。地価の高い都心部には広大な敷地面積を必要とするような工場は立地しにくい。

 

問3 これもまた過去問からの直接的な引用。この第2問を作った人ってものすごく過去問を意識してる。

ショッピングセンターの問題自体は97B本第1問問3に登場。この時は「高層」の駐車場になるという話。郊外で地価が安く駐車スペースには不自由しないのだから「高層」になるわけないのである。その97年の問題はショッピングセンターの定義をはっきりとさせている良問であるので、それ以外の選択肢(つまり正文)も読んでショッピングセンターとは何かということについてまとめてほしい。

で、本問であるが、今度は写真まで用いてずいぶんとご丁寧な出題になっている。何でこんな写真が要るかなぁ(笑)。答えはもちろん3。「都市内の最高地価地点」といえばそれはまさに都心部のこと。CBDが形成されているエリア。「大規模なショッピングセンター」は広大な敷地面積を必要とするものであるし、都心部よりも郊外に立地しやすい。00B追第1問問6も類題として挙げられるだろう。都心部の土地利用は集約的なのだ。

ショッピングセンターで売っているものは基本的には安価な日用品であるので、問2とも内容が重なる問題といえる。

 

問4 「スプロール現象」についての説明を求めている。地理の場合、このような用語の意味を問う問題っていうのは実はかなり珍しい。ここまで過去問に忠実であった第2問製作者はどうしてしまったのか?っていうかここからは問題作った人が違うな、おそらく。

スプロール現象とは「虫食い現象」のこと。郊外の開発の際に、無計画に無秩序に田園や山野が乱開発され、住居や工場などが混在してしまうこと。工場が騒音や排気などの公害を住民に与えるのを避けて郊外に転居してきたのに、なぜか付近がニュータウンとして開発されて、結局そこの住民から苦情が出る。鉄道や主要幹線道路を建設するような計画もないのに郊外に大規模なニュータウンを開き、交通の便の悪さを指摘されてしまう。それぞれの土地開発会社が別々に宅地開発を進めた結果、各住宅地が点在し、例えば自治体として大学などを誘致しようとしてもまとまった用地が確保できず結局その計画を断念してしまう。などなど、実にさまざまな問題が浮かび上がってきてしまうのだ。具体的な例というより、郊外の開発に関する全ての問題点はスプロール現象に起因するものであると言ってもいい。

よって3が正解となる。1や2についてはとくに言うことはない。4については、これはむしろ都心部の再開発のことであり、スプロール現象というべき類のものではない。

 

問5 おもしろい問題。絶対的な数量と相対的な数量との違いを明確にしておこう。

統計で表される数量には2種類あって、実数で表される絶対的な数量と、割合や率の形で表される相対的な数量とがある。実数は直接数えたらいい。それに対し、割合や率は計算して求めないといけない。

例えば、大阪府の人口増加割合は年1%、滋賀県は3%。都心部より郊外の人口増加が顕著である。しかし実数で比較するとどうなるか。大阪の人口は500万なので1%ならば5万人、滋賀は100万なので3%ならば3万人。つまり実数で比較すると、大阪の方が人口が増加していることになるのである。このような数をしての質の違いを認識しながら問題に当たっていってほしい。

というわけで問題を解いてみよう。まずAとBの判定。「地域間交通量」と「増加率」である。前者が絶対的な数量(実数)、後者が相対的な数量(割合)である。絶対的な数量は先ほどの大阪の例でも分かるようにある程度その地域の規模に比例する傾向がある。つまり各種交通手段を用いて移動する人々の数は、その地域の人口自体とおおいに関係しているということ。人口が多いところで交通量も多く、人口が少ないところでは交通量も少なくなる。

それに対し、相対的な数量はその地域の規模とは比例しない。計算(というか割り算)によって求められる数量であり、実数が「多い・少ない」という言い方で比較されるのに対し、こちらは「高い・低い」で表される。今回の統計は増加率である。次のような式で計算されるもの。(1998年の交通量-1988年の交通量)÷1988年の交通量。

ここでAとBの図に注目してみよう。Aは東京都心部で太い線、周辺の郊外で細い線となっている。Bにはそのような傾向はない。むしろ都心部で細く、郊外で太くなっている。

人口が多いのはもちろん東京。とくに区部。またその東京区部から川崎、横浜にかけての地域にもかなりたくさんの人々が居住している。そのような人口集中地区で太い線となっているのだから、Aを絶対的な数量の「交通量」と考えていいのではないか。人口が少ない埼玉や千葉の線が細くなっている点から考えても納得である(ただし埼玉や千葉は「

人口増加割合」は高い。何度も繰り返して言うが、実数と割合の質的な違いははっきりと認識しておいてほしい。郊外は人口という実数は少ないが、人口増加率という割合は高いのだ)。

というわけで、Bを増加率と考えていいだろう。人口規模の大きい東京都心部で細く、郊外で太くなっている。これは郊外では交通量が多くないので、割合計算する際の分母となる「1988年の交通量」が小さいので高い割合となりやすいことと関係あるのだろう。また郊外は人口増加率も高く、その分、交通量の増加も顕著なのだろう。

問題を解く際にはあまり関係ないが、ちょっと気になるところがある。それはBの図について。これって相対的な割合の高低を、線の太さ細さで表しているよね。これでは誤解を招きやすい。埼玉県や千葉県は増加率が「高い」のであって「大きい」わけではないよね。それなのにこういった太い線で表すのっていかがなものか?って思うわけだ。これではいかにも誤解を招きやすい。だからこういう統計(相対的な数量)を表す場合には、「太い・細い」線ではなくて、「模様(点線・実線)」や「色(青・赤)」などを使うべきだと思うよ。例えば、増加率が低い場合は線を赤くするとか、増加率が高い場合は青い線にするとか。

ではカとキについて判定していこう。交通ネタの出題は実はセンター試験ではかなり少ない。本問にしても一見交通ネタであるが、むしろ都心部における自動車保有の問題と置き換えて考えるべき問題であって、決して交通について特別な知識を問うているわけではない。都心部の地価の高さや面積の狭さがテーマとなった問題なのである。

この2本のグラフの違いはどこにはっきりと現れているか。徒歩と二輪、バスにはほとんど差はない。カでは鉄道で移動する者が多く、キでは自動車で移動する者が多い。この手がかりで簡単に解けるだろう。都心部はJRに加え、私鉄や地下鉄も発達し鉄道を利用する割合がかなり高くなるだろう。また面積が限られているため、渋滞も多く、自動車で移動することに不都合な面もある。地価が高いため駐車場を確保しにくく、自動車を所有しにくいという事情もある(ちなみに東京都は人口当たりの自動車台数は全国最下位である)。

というわけで、カが東京区部、キが郊外の東京西部であろう。

郊外の自動車保有に関する出題としては、97B本第1問問7や96追第6問問3などがある。

 

問6 第4問に続いて地理用語(「都市圏」が地理用語なのかどうかはこの際無視して。むしろ一般名詞かもしれないが)の意味を尋ねる問題。問4と問6は作った人が同じなんじゃないかな?実は第3問問1でも「外来河川」の言葉の意味を聞いていたりする。すごく珍しいなあと思う。本試の方ではこういった傾向はなかったので、このような用語の意味を尋ねる問題がこれからしばしば出題されるということはないだろうが、追試だからってちょっと安易に問題作りすぎちゃうの?(笑)

都市圏とは通勤圏あるいは商圏と考える。都心部にはCBDが形成され、企業のオフィスやデパートなどが集中する。その企業に通ったりデパートに買い物に来たりする人が住んでいる範囲を都市圏と呼ぶ。「都市が影響を与える範囲」ということだが、それではあいまいかな。日常的に人間が行動する範囲と関係があるんだが、イメージはつかめるだろうか。僕はおおよそ私鉄の通じる範囲を都市圏と見なしているのだがどうだろう?大阪圏には大阪の中心部を基点として阪急、京阪、阪神、近鉄、南海の各私鉄会社が鉄道網を張り巡らせている。これら私鉄の路線は大阪から放射状に外側に向けて四方八方に広がっている。郊外の住宅都市と大阪都心部とを結ぶためである。日常的な通勤の足として利用されているわけだ。まさに都市圏の範囲と一致するではないか!

というわけで答えは④。①については、行楽とは日常的に出かけるものではない。たまに出かけるからこそ都市圏を越えてはるか遠くまで出かけることもあるはずだ。②については、通勤圏なわけだから中心都市で働く人は仕事が終わったら家に帰るよね。③は、公立中学校は歩きか自転車で通学することが多い。私鉄などを用いて都心部にある学校に通学する例もあるが、それは公立ではなく私学のパターンだろう。「学区」内での移動であるので、都市圏とは関係ない。

 

問7 本試にはありえないパターンやな。単なる知識問題と言える。とはいえ中学レベルだが。地図を用いた出題とはいえ、地理用語の意味を問う問題だと見なせば問4や問6などと同様の問題とも言える。やっぱり第2問の出題者は、問1から問3までと、問4問6問7とで絶対代わってるよ。後半の人は手を抜きすぎ!?

メガロポリス(巨帯都市群)の例としては米国の大西洋岸ボストンからワシントンまでの地域を挙げるのが一般的。

実は選択肢がなかなかおもしろいので説明していこうか。1はフランス南部の海岸保養地コートダジュール。地理Aでしばしば問われるところ。世界最大の観光地。家族で長期滞在型のバカンス。

2は奴隷海岸。かつて米国南部(ジョージア州からルイジアナ州にかけての地域)に運び込まれた黒人奴隷のルーツ。

3はガンジス川流域の沖積平野。ここも人口は過密ではあるが、経済的に恵まれたところではない。ガンジス川の流れに沐浴するヒンドゥー教徒の姿が多々見受けられる。

4は世界で最も経済成長が大きい地域。中国のシャンハイから華南にかけての地域。外国からの企業も多く進出し、中国の内陸部からの労働者も殺到する。

6は南米大陸で唯一の地中海性気候が見られるところ。チリの首都サンチアゴ。夏季乾燥する気候のため、地中海式農業が行われブドウが栽培されている。

選択肢のセンスがいいよね。まぁ、奴隷海岸みたいなネガティブな地域を取り上げてセンスがいいも何もないけれど。野口英世博士が亡くなったのもこの辺りやね。我々は少なくともこういった知識については身につける義務はあるんやろね。

 

第3問 西アジア地誌!!!いくら追試だからってこんな地域からの出題はないんじゃないの?とは言え、西アジアについての知識が問われる部分はほとんどないし、普通の問題として解けばいけるだろう。

問1はセンター地理での重要キーワードの説明なのでできて当然。問2は、緯度が気温の高低にもたらす影響、海陸分布が気温の年較差にもたらす影響さえわかったら解答可能。問3は宗教ネタなんで地理B的にはちょっと辛い。問4はセンター過去問でしばしば登場のネタ。問5は難しいな~。捨て問かな。問6は常識の範囲で解いたらいい。問7は乾燥地域の農業の問題であり、ホイットルセー農業区分が重要となるが、解答は可能。全体としては1問ロス程度で乗り切ってほしい。

 

問1 「外来河川」の説明。第2問の問4や問6でも述べたが、センター地理でこのような地理用語の説明を求める問題は極めて異例。追試特有の現象だと言って無視するか、それとも要チェック問題として重視していくか。

ただし外来河川自体はセンター地理では最頻出の話題であった。かつて話題とされた河川はほとんどが外来河川。例えば北米においては、一般的に有名であるミシシッピ川より外来河川であるコロラド川の方がより多く問題として取り上げられるのだ。だから外来河川の意味については当然知っておかねばいけないのだし、この問題もできて当たり前。

さて、ではこれからはどのような言葉が登場すると予想されるか。気候分野ならば「中緯度高圧帯」、農業分野ならば「園芸農業」、工業分野ならば「輸出指向型工業」あたりが来るんじゃないかと思うんだが。どうなるかな?

あ、本問の答えはもちろん2やね。他の選択肢はどうでもいい。

 

問2 気候グラフ判定問題。おもしろい問題やね。ちなみにケッペンの気候区分は必要なし。っていうかそれで考えると間違う。頭の中からケッペンの気候区分を消去しておくこと(え、もともとそんなん知らないって?それが最高やで)。

気候グラフの大原則は「自分の住んでいる町と比べる」ということ。いいかい?地理とは世界旅行ではない。地理とは君たちの日常の生活の中にあるのだ。普段生活しているこの町の気候を知らないでどうする???

日本の標準的な気候が現れる都市として東京を考えてみよう。最暖月平均気温25℃、最寒月平均気温5℃でインプットしておく。つまり年間平均気温15℃で気温の年較差が±20℃に達する。

これを頭に入れて選択肢の各グラフを観察してみよう。4は異常に暑い!冬季の15℃はともかくとして夏季の35℃はすごすぎる!熱帯並みに暑いと言われている日本の夏の気温ですらこうはいかない。それに比べて1は冷涼と言える。冬季の平均気温は氷点下であるし、夏季は20℃をやや超える程度。日本にあてはめれば北海道がこんな感じかな?2と4については標準的な気候と言えるだろう。ともに年間の平均気温は15℃くらいだろうか。これは東京と等しい。

ここで図1参照。基本的に緯度と気温が比例するとして(低緯度地域で高温、低緯度地域で低温。もちろん低緯度地域であっても標高が高ければ気温は低くなるが、センター試験の場合、標高の高い都市を取り上げる場合にはたいていその標高が記されている。00B本第5問問1参照。よってここではあまり高度による影響を考えなくていいだろう)、リヤドで高温、キエフで低温となると考えられる。よって1がキエフ、4がリヤド。キエフについてはヨーロッパ中部あるいは北部とほぼ同じ緯度帯にあり、日本の北海道のような気温となることは十分に想像できる。リヤドは低緯度であり高温となるだけでなく、内陸部にありそのため夏季にとくに高温となる気候が想像される。海洋からの影響がないため、気温年較差が大きくなるのだろう。

2と3が残る。これについてはどう考えたらいいだろう?降水量で考える手もあるが、ここはやはり気温に注目してほしい。とくにポイントとなるのは気温年較差である。「海洋性気候で年較差が小さく、大陸性気候で年較差が大きい」。このことだけ分かれば十分に解答可能。寒暖の差が大きい3が大陸性気候のタシケントとなる。2は季節的な気温変化が少ないので海洋に面したイズミルと考えられる。

降水量についてはとくに何も言うことはないが、とくにつじつまが合わないようなことはないし、問題なしやね。

というわけで、もう一度解法を整理してみようか。まず暑いか寒いかを考える。年間の平均気温を考えてみて、その差によって緯度を特定する。寒かったら高緯度、暖かかったら低緯度。

年間の平均気温が近いグラフについては、気温年較差に注目。内陸部で暖まりやすく冷めやすい。沿岸部で暖まりにくく冷めにくい。気温年較差の大きい大陸性気候と、小さい海洋性気候の違いだけは明確に。

 

問3 エルサレム。ユダヤ教の聖地である。ユダヤ教から派生したキリスト教やイスラム教の聖地でもある。

昨年あたりからイスラエルに関する出題がちらほら登場しだした。ユダヤ人とパレスチナ人の間のテロなどまだまだ混迷を極める地域ではあるが、これから出題は増えるのだろうか。

 

問4 アラル海の縮小ネタはセンターではよく見かける。96追第2問問5など。またウズベキスタンというか中央アジアの綿花栽培についてもしばしばセンター試験では話題とされる。97B本第5問問4選択肢1や98A追第2問問8、01B追第1問問3など。

というわけで答えは4。湖の干拓の例は決して多くはないが、代表的なものとしては秋田県の八郎潟が挙げられる。

 

問5 こりゃ難問でしょ???問3もそうやけど、民族宗教の問題って結局知識問題なわけで知らんかったらできへんっていう側面がある。これもかなりツライ部類?

まず白地図で国の位置を知らないといけない。これができていなければお手上げなわけだが。とりあえずトルコとイランが分かれば上等。だからそこから答えは⑤としてしまっていいだろう。「2カ国以上で多数を占めている」とはあるけれど細かい話はこの際どうでもいいだろう。ちなみにこの国際組織って一体何なんでしょう?僕は知りません(笑)。

ここからは詳しい民族の話。興味ある人だけ読んでね。

灰色に着色された国々の民族構成について。トルコ・アゼルバイジャン・カザフスタン・ウズベキスタン・トルクメニスタン・キルギスタンは黄色人種でウラルアルタイ語族に属するトルコ系民族の国。イラン・アフガニスタン・パキスタン・タジキスタンは白色人種でインドヨーロッパ語族に属するイラン系民族の国々。スラブ民族とは白色人種でインドヨーロッパ語族、ロシアやウクライナ、ポーランドなど。アラブ民族とは白色人種でセムハム語族、イラクやサウジアラビア、エジプトなど。

 

問6 国際石油資本のこと。石油メジャー、あるいは単にメジャーとも言う。莫大な資本をバックに世界の石油市場を握ろうとする企業の集合で、OPEC(石油輸出国機構)のライバル。

というわけで世界の資本が集まる米国を素直に選べばそれでいいだろう。カナダはしょせんは米国の子分である。51番目の州ともあだ名されているくらいだ。サウジはむしろOPECの主要メンバー。日本が世界の原油を牛耳っていると思うか?日本は米国の52番目の州?いやいや今や米国にとって本当に重要な国はカナダとメキシコだ。日本はその内取り残されてしまうよ~。

 

問7 アフガニスタン!でもここはアフガニスタン特有のことではなく、西アジアの乾燥地域で行われている農業形態について考えればいいわけや。

しかも一応写真問題となっているわけであるが、正直言ってたいへん写りの悪い写真である。写真の読み取りから問題を解くのではなく、あくまで西アジアの乾燥地域でどんな農牧業が行われているかということがテーマとなっている。

Dの地域であるが、この地域は基本的には遊牧地域であろう。羊やヤギなどが広範囲にわたって遊牧されている。しかし一部地域では灌漑により集約的に小麦やナツメヤシなどが栽培されている。このような伝統的な灌漑農業のことをオアシス農業という。オアシス農業に関する問題は97B本第5問問4で出題されている。

2;集約的稲作農業とはアジア式稲作農業のことであるが、年降水量1000mmを超える湿潤なモンスーンアジアで見られる農業形態である。よってD地点のような乾燥地域にはそぐわない。

ちなみにアジア式畑作農業のことを集約的畑作農業と言ったりする。つまりアジア式農業のことを集約的農業と言うわけだ。アジアの農業は土地集約的であり労働集約的である。土地集約的とは土地を丁寧に使う農業のこと。土地生産性が高い(1ha当たり収穫量が高い)。労働集約的とは労働力をたくさん用いる農業のこと。労働生産性が低い(1人当たり収穫量が低い)。

3;センターピボットとは米国で見られる地下水を利用したか灌漑方式のこと。しかも企業的穀物農業は原則として新大陸特有のものである。旧大陸でもウクライナのチェルノーゼム地帯の大規模な小麦栽培は企業的穀物農業と呼ばれるが、いずれにせよ、D地域が企業的穀物農業地帯である可能性はない。

4;粗放的牧畜とは企業的牧畜のことであり、これもやはり新大陸特有のもの。よってこれも誤り。

またこの写真は三角州ではないだろう。三角州とは河口付近の海が川によって運ばれた土砂によって陸化したところであり、このような内陸部に見られるものではない。この写真を見る限り、南部(写真の下方)に山地のようなものがありそこから平野へと川が出ているようなので、扇状地の可能性はあるが三角州ではありえない。そもそも水はけの悪いじめじめした地形となるはずの三角州が草原として利用されるだろうか。写真を見るまでもなく誤文であると判定できるだろう。

よって1が正文となる。乾燥地域とはいえ、山地にはやや降水が見られる。それらが川となって流れ出すのだがその周囲は農地として活用されることとなる。このように乾燥地域において限られた水を利用して行う農業をオアシス農業という。写真の河川は、山地という湿潤地域から平野の乾燥地域へと流れ出している川であり、ナイル川ほど大規模なものではないものの、これも立派な外来河川と言えるだろう。ナイル川ほど莫大な人口を支えているわけではないが、この地域の住民にとってはまさに命の川となっているわけだ。

この問題に典型的に見られるようにホイットルセー農業区分はセンター試験で頻出である。ここでも「オアシス農業」「アジア式稲作農業」「企業的穀物農業」「企業的牧畜」という4つのタイプの農業形態が話題とされている。これらの農業区分についての知識があればよりスムーズに解答できるはずだ。

 

第4問 本試験の第4問と同様、人口を中心とした問題。とにかく人口は出題頻度が高いので勉強する価値がある。

ただしこの第4問は意外に難しい問題が並ぶ。問7を除いては良問ばかりやねんけどね。

 

問1 グラフの見方のコツは「今」を見ること。過去から現在への変化を見ようとしてはいけない。ややこしいだけだ。「今」の数値から判断し、それでも分からない時だけ過去からの変化に注目すればいい。

というわけで、「1990-95」に注目。ア・イ・ウはいずれも「1%」に近くあまり差がない。これから分かるように実は死亡率というものはヨーロッパだろうとアフリカだろうとあまり差がないものなのだ。ただし、数値として差がないというだけであって、その質には大きな差がある。つまり、実際に死んでいる者の年齢層だ。老年人口割合の高いヨーロッパでは死亡者は高齢者に集中している。天寿をまっとうしているわけだ。それに対し、アフリカなどでは衛生条件の劣悪などから死亡者は幼年層に集中している。生まれて間もない乳児がどんどん死んでいってしまうのだ。本当はこのような数字に表れにくい部分にこそ世界の真実はあるんやけどね。

では出生率に注目しよう。これには明らかな差異がある。aは「4%」、bは「2.5%」、cは「1%」くらいだろうか。ここで大陸別人口増加割合(自然増加割合)を思い出してほしい。

3%;アフリカ

2%;ラテンアメリカ・南アジア

1%;東アジア・アングロアメリカ・オセアニア

0%;ヨーロッパ・日本

出生率マイナス死亡率が人口増加(自然増加)率である。死亡率はいずれの大陸も1%程度である(図1のア・イ・ウのグラフより)。つまり出生率の差がそのまま自然増加率の差となって現れていると考えていいだろう。

aがアフリカ、bがアジア、cがヨーロッパである。

グラフの数値より自然増加率を計算してみると、アフリカで3%、アジアで1.5%、ヨーロッパで0%となり、上に挙げた表と照らし合わせても全く合致すると言っていいだろう。

では死亡率の判定。これについては前述のように1990-95の数値はたいへん似通っているので判断しにくい。そこで過去にさかのぼってそれぞれの変化の様子に注目していこう。

まずウ。1950年ごろからすでに数値が低い。先進地域であるヨーロッパであると見ていいと思う。もしヨーロッパがアやイだったなら、この時期、死亡率が出生率を上回ってしまい、人口が減少していたこととなってしまう。いくら何でもそんなことはないだろう。

アとイの判定。どちらがアジアでどちらがアフリカなのか。2本のグラフの動きは50年代は似ている。しかし60年代から両者の差は開き始め、その違いは70年代に決定的なものとなる。これってどう思う?

60年代や70年代にアジアが躍進を遂げたっていうわけではないけれど、イメージとしてアジアの方がアフリカよりは経済的に進んでいるわけやし、ここはアジアの方がより衛生条件や医療環境などが整備されたということで、イをアジアと考えていいんじゃないか。現在でもイの方がアよりも死亡率が低く、依然として幼児の生存率が低いアフリカと、近年急激に工業化の進むアジアという差異がはっきりと死亡率に現れていると見なしていいと思う。

で、イをアジアとすると確かにそれを証明するようなことがこの表の中にあるのだ。それは出生率の動き。前述のようにbがアジアの出生率である。60年代から70年代にかけて急激に下がっているが、イのグラフも同時期にほぼ同じ動きをしている。この2つは明らかに関係ある!普通は出生率が下がったら死亡率は上がるよ。だって高齢化が進むわけだから。でも当時のアジアはどうだったんだろう?出生率が下がった(中国の一人っ子政策の影響かな?よくわからんけど)。発展途上国においては死ぬ者の多くは幼児である。これが先進国と違うところ。我々のイメージでは、葬式があれば死んだのは老人だろうと考える。それが先進国のイメージ。でも発展途上国で命を落とす者の多くは子ども。体力や免疫のない子どもが先に死ぬ。逆にそういう危険な時期を過ごしきった大人はしぶとく生き残っていく。だから出生率の低下による子どもの数の減少を、死亡率の低下と結びつけて考えることができるんじゃないか。かつて出生率が高く、人口が爆発的に増加していた中国では、子どもの数が多い分だけ実は死亡率も高かった。しかし一人っ子政策によって産児制限がされると、出生率が低下すると同時に、子どもの数が減った分だけ(変な言い方になってしまうが、本来死ぬべき乳幼児の数自体が経るのだから)死亡率も低下する。どうかな?ちょっと強引かな?でも納得がいく説明でしょ。

 

問2 計算問題。

こういった図表問題のコツとしては、現在の数値・数量のみに注目すること。本問の場合は「90~92」の棒グラフと折れ線グラフのみ。

図2で「栄養不良人口」が、図3で「栄養不良人口の割合」が示されているのだから「全体の人口」が計算で求められるはず。

(全体の人口)×(栄養不良人口の割合)=(栄養不良人口)

ケから計算してみよう。栄養不良人口は約2億人かな。割合は40%。よってケの地域の総人口は計算により、5億人。

クは2億人と10%で、20億人。

キは2.5億人と20%で、12.5億人。

カは3千万人と20%で、1.5億人。

ではここで選択肢を見てみよう。東・東南アジア(日本を除く)、南アジア、西アジア・北アフリカ、サハラ以南のアフリカ。

この4つの人口規模を想像できればこの問題は解ける。おそらく一番人口が多いのは東・東南アジア。中国やインドネシアが含まれているし、しかも国の数も多い。次が南アジアかな。ここは国の数が少ない。インドとバングラデシュとパキスタンくらい。ただしその3つはいずれも人口の多い国であるし、東・東南アジアに次ぐ人口規模だろう。西アジア・北アフリカはどうか?この地域に人口1億を超える国はない。砂漠など乾燥気候の卓越した地域であり、農業が行いにくいことを考えると人口規模は小さいだろう。サハラ以南のアフリカ、つまり中南アフリカについてはナイジェリアなどの人口大国もありそれなりの人口が住んでいると思われる。アフリカ大陸全体の人口は約7億人。サハラ砂漠はアフリカ北部にあるので、サハラ以南のアフリカといえば、アフリカ大陸の面積の3分の2以上あるのではないか。よってその人口規模は5億人くらいかなあと思う。

よって、(東アジア・東南アジア)>(南アジア)>(中南アフリカ)>(西アジア・北アフリカ) となって、つまり問題の解答は2となる。

さらに検討してみよう。東・東南アジアがクだとすると総人口は20億となる。これに矛盾はないか。中国で12億人。インドネシアが2億人。東南アジアにはインドネシア以外に10個くらい国があるので、高温湿潤な人口過密地域であることも考慮して数億人の人口規模があると考えられる。よって約20億と考えて間違いなかろう。

南アジアは、インドで10億、バングラデシュで1.3億、パキスタンで1.5億、よって総人口は13億くらい。これも適合している。

西アジア・北アフリカの人口はよくわからないが、少ないことは間違いないだろう。中南アフリカについては前述のように約5億人と考えていい。

本問は選択肢となる4つの地域に明らかな人口差があったため、人口規模を計算するだけで解答にたどり着いた。でも、例えば、より人口規模がややこしい場合(例えば、東アジアと南アジアの人口はどちらが多い?こりゃわからんよね)も今後のセンター試験の問題によっては考えられるわけで、そんな場合はちょっとツライかな。それでも、人口規模を計算することによって選択肢を限定できたりはするだろうから、積極的に計算というアプローチを用いてほしい。

 

問3 うわぁ、今度は「緑の革命」についての問題やん。またしても言葉自体の意味を尋ねている。ものすごくこのパターン多いぞ!

とはいえ「緑の革命」も「外来河川」や「スプロール現象」と同様、センター試験でしばしば登場してきた言葉なので過去問に習熟している者なら解答は容易だろう。「緑の革命」出題例は99B追第5問問2など。

正解はもちろん2である。

1;「在来農法」が誤り。緑の革命は「革命」なのである。

3;自給作物である米や小麦の生産が中心。あくまで食料増産が目的なのである。樹木作物といえば、地中海式農業でみられるブドウやプランテーション農業で見られる天然ゴム・油ヤシ、あるいはさまざまな果実など。いずれも主食ではない。

4;こういうことは実際にやっているかもしれないが、緑の革命ではない。

 

問4 ちょっと考えなくてはいけないかな。

エネルギーの話題は01B本第4問問1で登場。ただしここでは外れ選択肢だったが。地理でエネルギーと言った場合は1次エネルギーのことを指す。固体燃料、液体燃料、気体燃料、電力の4種類に区分される。固体燃料とは石炭のこと、液体燃料とは原油のこと、気体燃料とは天然ガスのこと、電力は水力や原子力によって得られる電力のこと。つまり本問の4つの選択肢にあてはまるわけだ。

石炭の輸出入、原油の輸出入、天然ガスの輸出入は一般的に行われていることである。でも電力の輸出入って聞いたことがあるか?他のエネルギーが船舶などによって輸送可能なものであるのに対し、電力は国境を越えて送電線を張らなくてはいけない。とくに日本のような他の国とは陸続きでない島国にとってそれは不可能なことであると言っていい。だから電力は貿易できない、つまり産出国と消費国が一致するということ。というわけで「水力」を答えとする。

 

問5 どうだろう?常識的な線で考えなくてはいけないが。過去問の中にこれに類する問題はないだけにちょっとツライな。

ちょっと考えてみようか。南アメリカやオセアニアは密輸された生物の原産地域であり、その輸入は少ない。南米大陸やオーストラリアは貴重な生物が豊富な地域ではあるが、それを購入しようとする人々が少ないというわけだ。南米は熱帯雨林が広がり、さまざまな動植物の宝庫だろう。しかし経済レベルが低い地域であるのでそれを買おうとする金持ちは少ないということか。オーストラリアは他の大陸から切り離された孤島であり、独自の進化を遂げた珍しい動植物が多い。ただし人口規模が小さいために野生動物のコレクターと呼ばれるような人々も少ないのだろう。

というわけでここで1つの推論が成り立つ。AとBの地域は野生動植物が豊富なのだ。しかも貴重な種にあふれている。熱帯の密林など実に多様な動植物にあふれているというではないか。逆にCはそういった環境ではない。動植物の種類が少ないのだろう。動植物の数自体少ないのかも。というわけで、Cを西ヨーロッパとする。たしかに他の地域に比べ珍しい生物は少なそうだ。

密輸先地域を見よう(しかしよく考えたら「密輸」に関するはっきりとしたデータがあるっていうのがスゴイな!?)。Cが西ヨーロッパだとすると納得がいく。お金持ちが多く、貴重な動植物が多く持ち込まれているのだ。

で、ここからがポイント。AとBはともに貴重な生物にあふれている。しかし密輸先としてはAとBとで明らかな差異がある。Bに持ち込まれる動植物が多い。つまり買い手が多いということ。Aはその逆。買い手が少ない。Bの方がAに比べ、経済レベルの高い地域と考えていいと思うし、あるいは人口規模自体が大きいので自ずと買い手の数もたくさんいるのだろうと推理する。よってBがアジア、Aがアフリカ。

「密輸された野生生物の原産地域」については気候条件などを想像し、「野生生物の密輸先地域」については経済レベルと結びつけて考える。地理の問題としては理想的な問題になってるんやな。うまいね~。

 

問6 チェルノブイリのネタってもしかして初めて?そういえば記憶にないなあ。おそらく新課程になって初めての出題やね(っていうか旧課程でもなかったはず)。

1;緯度的に考えて(北緯50度付近である)貿易風ではないだろう。

2;「ブリザード」は北米大陸に吹く吹雪のこと。これはちょっと難しい?

3;北方向、南方向それぞれに広がっており、南風が吹いた日、北風が吹いた日があったのではないかと想像される。

4;緯度から考えてこの地域が偏西風帯であることは明らか。日本でも上空の雲は偏西風によって西から東に流れていくのだが、この放射能の動きもそれと似たものがある。果たしてこの緯度50度付近を「中緯度帯」というかは微妙なところだが、かといって誤りとも言い難いのでこれを正文とする。

どうかな?ちょっと難しいかな?とりあえず1は絶対消去できるし、3も外せる。2と4で悩むが、何とか正解できるんじゃないかな。しかし「ブリザード」も新課程では初出か?旧課程では出題されたことがあるように記憶しているんだが。難問ではあるね。

 

問7 こりゃヤバイな。現代社会の問題やで。できなくても仕方ないが。。。

答えは3。WTO(世界貿易機関)はGATT(関税と貿易に関する一般協定)が発展して結成された国際機関であり、自由貿易の促進と世界貿易の拡大を目的としている。よって「発展途上国の累積債務の解消」は全く関係ないんだが。。。ちょっと難しいか。こういう地理の枠から外れた現代社会的な問題が今後は出題されないことを祈る。

一応、外れ選択肢についてもコメントを。

1;こういうこともあるんやろね、よく分からんけど。

2;まさにその通りでございます。ごくろうさまです。

4;これが地理的には一番大事なんちゃうかな?統計資料で確認しておいてほしいが、ODA額は日本や米国が最大。しかしこの2カ国はGNPも大きいので、(ODA÷GNP)の値が小さくなってしまう。それに対し、ヨーロッパ各国、とくにGNPの大きくないオランダやノルウェーのような小国はODA額自体はそれほど高額ではなくとも、GNPに占めるODA額の割合は高くなる。GNP当たりの援助額が大きいということ。このネタはセンターに出てもおかしくないなぁ。統計要覧にも載ってると思うんでヒマな人は見てね。

 

第5問 問4は今どき珍しいくらいベタベタな地形図問題やけど、問1から問3も地形図ではないもののそれに類する図を用いた問題となっている。地形図アレルギーには厳しい問題が並んでるね。それに対し、問5と問6は人口と都市の問題。ともにちょっと引っ掛け問題っぽいけど冷静に考えれば絶対解ける。でも時間がかかりそうやねんなあ~

 

問1 一応、地形図問題。見やすい図になっているので簡単だと思う。等高線X―X´の右側に「14.4」「12.9」「13」などの数値がある。左側には「19」「18」などがある。これらは全て標高を表すものであるので、その境界となる等高線X―X´は選択肢から考えると「15m」ということになる。

 

問2 断面図の問題。断面図を解くカギは具体的に考えること。Y地点とY´地点の標高はそれぞれ何mか?Yは標高14mくらいか。Y´はX―X´等高線の上にあるので、標高は15mより高い。というわけで、Y´の標高が低い1は消去できるだろう。

あとは川の位置で判定するのが確実か。Y―Y´の線分のほぼ中央部をP川は横切っているわけだけれど、その位置はややY´に寄っているように見える。エンピツかなんかをモノサシ代わりにして測ってみるといいんちゃうかな。そうなると4が正解であると判定できる。

2と3はP川の位置がY方向に寄りすぎているので誤りと見なす。また、2についてはY´のすぐ西側に急斜面があるが、図1を参照するとそんな風にはなっていない(等高線の位置から判断すればいい)ので間違いと判断できる。3にしても、斜面の位置から判断して誤りと言える。

とにかくここでポイントになっているのは、地形を立体で見れるかどうかってこと。断面図の問題は頻出であり、慣れておいてほしい。01B追第3問問1ではグランドキャニオンの断面図が問われている。ここでもコロラド川の位置が重要になっている。

 

問3 これは簡単すぎないか?

1;Q川は北西から南東に向かって流れる川である。このことは図の下部に矢印が書かれていることから分かる。

下流方向を向いて、右側が右岸、左側が左岸。Q川の左岸には「14」「15」などの数値が見られる。右岸には「12.1」「13」など。答えは明確やな。他の選択肢については検討の必要なし。

 

問4 問1~問3までとは異なり、地形図がそのまま用いられている。ちょっとごちゃごちゃして分かりにくいね。

しかもこの問題ってセンター試験的な地形図問題ではない。センターでは普通、地形の立体視がポイントとなってくる。あるいは土地利用の出題が多い。本問の選択肢では2や5がその典型となっているが、それ以外の選択肢はちょっとおかしい。いや、センター試験としては妙というだけであって、逆に普通の地形図問題としては実に一般的なものになっているのだけれど。

例えばセンター試験では地図記号についての知識はほとんど問われない(その代わり、土地利用記号は容赦なく聞かれるよ)。しかし選択肢2や4では「寺院」や「市役所」の判定が求められている。あるいは6のように「行政界」を尋ねてくる問題も新課程では初めてだと思う。旧課程時代にはちょっとあったけどね。

1;どうかな、よくわからん。保留。

2;寺の地図記号は有名やね。パッと見やけど、どっちかって言うと鉄道の西側で多いみたい。

3;鉄道が高架になっているか?鉄道の両脇に直線が引かれているが、よく見ると「直線+点々」になっているのが分かるかなあ?02B本第5問問2図2の1990年の地形図において釧路港の周囲や釧路川河口周辺にもこの「直線+点々」が見られるよね。これは何だろう?「垂直の壁」を表している。つまり、鉄道はは垂直の壁によって持ち上げられているわけで、これを高架を見なすのは当然のことだろう。釧路港も垂直の壁で区切られ、港湾施設として整備されていることが分かる。地形図上の意味はあくまで「垂直の壁」であるが、これも明らかにコンクリートで固められた人工物であると考えていいだろう。

余裕がある人は、99B追第3問問4図3の1995年の地形図も参照してみよう。図の左側中央「松木」という地名がある。ここに例の「垂直の壁」がある。鉄道の両脇にある。ただし、02追の図とは異なり、鉄道をはさむ直線の内側に点々が並んでいる。これは点々の描かれている方向が地形的に低いことを表しているのだ。02追の図では点々が外側にあるわけで、これは鉄道が高架となっていることを示している。これに対し、99追の図において松木付近の鉄道は周囲よりも一段低いところを走っているということになる。切り取り部というか切り通しを通過しているのだ。鉄道の上を橋が横切っていることからもその立体交差の様子が想像できるだろう。

というわけで02追の問題に戻るが、鉄道が高架化されたことによって、その下を道路が横切っている(中央部、本町1丁目から東1丁目にかけての太い道路。南部、本町4丁目から鉄道の東側に抜ける中央路側帯のある道路)。鉄道の下に短いトンネルが設けられて立体交差することによって、交通の円滑化が図られているようだ。

4;市役所の地図記号を知らないとあかん。道南や炉?本試の地形図問題で官公署の記号が問われた。でも別にそれを知らなくても解答できたと思う。それに官公署なんて特殊なものを知っておけって方が無理やで。僕も知らんって(笑・それでいいのか?地理講師として??)。でもなあ、市役所って小学校でも教わるようなメジャーな地図記号でもあるしなあ。何とも言えない。でもあえて強気で断言してしまおう。地図記号については勉強しなくていいと思う。この問題も追試だから出ただけやと思う。

っていうか「移った」ってあるけれどもともとこの場所に市役所があったのかもしれないし、実は判定不能?

5;こちらはセンター地理B正統派問題。高低差判定の問題。標高については数値を読み取ればいい。市街地には「18」などの数値が見られる。それに対し、図の南東部の南町や下町付近には「17.5」の等高線が見られる。ということはこの線より市街地方向は標高が高く、南東部の畑地や荒地は17.5mより標高が低いってことになる。この選択肢は正文。

6;選択肢5で言及した等高線のやや南側に「-・・-・・-」っていう線がある。これは行政界の一種で、市や郡の境界を示している。よって市街地と南東端の畑地や荒地は市(あるいは郡)が違うだけで、都道府県は共通しているということ。

では、選択肢6で問われている北西部に注目してみよう。ここには先ほどとは異なる「-(・)-(・)-(・)-」という線が見られる。実はこれが都道府県境なのだ。よってこの線によって区切られる両側の地域は異なる都道府県に属するということになる。ゆえに、選択肢6は正文。

以上より、3・5・6は正文なので解答の候補から外す。残るのは1・2・4。う~ん、ここからはやはり地図記号に関する知識に頼って解くしかないのか(涙)。寺は西側に多いから2が誤り。市役所は鉄道の西側にあるので4が誤り。つまり、結局、地図記号さえ知っていれば解けたっていうことか???

何やろう、この問題は。今までと明らかにポイントが異なるぞ。地図記号は覚えなくてはいけないのか?わからん(涙)。

 

問5 グラフ読解問題。すごくおもしろい。ちょっと考えなあかんし、計算もしなあかん。こういう問題がおもしろいね。

(人口増加)=(自然増加)+(社会増加)

この公式を理解していれば解ける。まず1965年。自然増加は約800人、社会増加は約500人。(800+500=1300)となり、人口増加は約1300人。1975年は、(700-500=200)で約200人。1985年は、(300-300=0)、つまりほとんど人口に変化がなかったことになる。

よって、1965年>1985年>1975年となる。

 

問6 A市の産業構造なのだから、A市で働く人について調べればいい。簡単やね。でもこういう問題で足元をすくわれないように。

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