2013年度地理A追試験解説

たつじんオリジナル解説 [2013年度 地理A 追試験]             

 

[1] 図法の問題は地理Bでは出題されないかな。ミラー図法は人為的な修正が入ったものであり、何ら正確なものはない。④が誤り。大圏航路とは2地点間の最短距離のことで航空機の航路を考える。中心点と任意の点を結ぶ直線が大圏航路を表すものが正距方位図法。

 

[2] 著作権の問題で写真が使えない?何だろう、キリマンジャロの写真かな。アは高峻な山脈で新期造山帯。Cの南アジア北部(アフガニスタン付近かな)が該当。イは丘陵性の山脈で古期造山帯。アフリカ大陸南東端のA。ウの写真が公開されていないのだが、おそらく火山が写されているのでは。アフリカ地溝帯に沿う火山であるキリマンジャロでBが該当。⑤が正解。

 

[3] ①はツンドラの説明。ツンドラは北極海沿岸などにみられ、通常時は氷雪に覆われ、夏季のみ地表にコケ類が繁茂する荒地。一部でトナカイの遊牧がみられるものの、基本的には非居住地域である。Jの北部ヨーロッパは該当しない。①が正解。

 

[4] キの「気温の季節変化はきわめて小さい」より低緯度のQが該当。クは夏季少雨の地中海性気候で「緯度35°付近、大陸西岸」のPが該当。残ったカがR。夏に多雨、冬に少雨は一般にみられる大陸東岸のパターン。⑥が正解。

 

[5] これ難しいな。氷河地形の例としてはフィヨルドがあるのだが、南半球でこれがみられるのは南緯45°以南の海岸。ニュージーランド南部、南米大陸南端など。オーストラリア大陸は全体が南緯40°以北にあり、フィヨルドはみられない。また山岳氷河による地形についても、ヨーロッパアルプスのような高峻な地域には存在するが、オーストラリアにはそもそもさほど標高が高い山脈がないので、こちらも該当しない。③が誤り。ちなみに①と②はよく知られた事項であるが、④がなかなか難しい。南極大陸を囲むように海嶺がみられることを地図で確認しておこうか。

 

[6] ①が正解だね。原則として緯度と気温年較差は比例する。高緯度のタの方が、低緯度のチより、夏と冬の気温差は大きい(実は夏はさほど変わらないのだが、冬の気温が大きく違うので、結果として気温年較差が大きくなる)。

 

[7] 時差問題も地理Bでは出題されにくいかな。東京とチの日没差は1時間(緯度15°違うので)。東京の日没4時間前は、チの日没5時間前。これに3時間30分を加え、日没の1時間30分前となる。①が正解。

 

[8] これ、微妙に難しい?たしかに養殖は盛んになってきているが、さすがに水産業全体の過半というわけではない。沿岸漁業が首位。②が誤り。

 

[9] 貿易の問題は地理Aに良問が多く、これもその代表。深い考察を必要とする。

中国と経済的に深いつながりを持つのは日本とアメリカ合衆国であろう。というかEUはそもそも域外との貿易はさほど盛んではない(80%が域内貿易)。全体として中国と貿易関係が薄いBがEUとなる。AとCの判定だが、工業製品については大きな違いはないので、ここは農水産物に注目するべきだろう。アメリカ合衆国は世界最大の農産物や畜産物の輸出国であり、ここでは「農水産物」とされてはいるが、輸出量が多いことは十分に想像できる。一方、日本は食料自給率が低いことからも想起できるよう、農水産物の輸出国とは言いがたい。海外で人気の高級品などは輸出されることもあるだろうが、それも限定的な話だろう。農水産物の輸出が多いCをアメリカ合衆国とする。④が正解。良い問題ですね。

 

[10] これも良いですね。問題としては簡単で②が誤り。そうした会社は先進国に本部を置くものが多く、原料を発展途上国から安く仕入れ、付加価値のついた製品を先進国内で販売しています。

この問題に関連して。今「フェアトレード」という考え方が広まっているようですが、ボクはちょっと考えものと思っています。例えば高いチョコレートを買ったとしても、実際に利益を得るのは先進国の加工者や流通業者であったりして、それが現地の労働者に渡る可能性は低いわけです。むしろ発展途上国のモノカルチャー経済を助長することにつながるでしょう。

もっとも、アジアやアフリカの民芸品を直接買い付けるのはすごく素敵なことだと思いますし、それは十分にフェアトレードになると思います。それに対し、このように先進国による搾取が基盤となっている商品作物の加工品については、一考の余地があるように思うのです。みなさんも大学に入り、フェアトレードという言葉を耳にする機会も増えると思いますが、十分に考えてから、その活動に参加してください。

 

[11] Xは情報サービス。インドには多くのコンピュータ会社が進出し、ソフトウェア開発が行われている。Yは知的財産。日本やヨーロッパなど先進国が並ぶ。Zは旅行。近隣国であるメキシコとカナダが上位。①が正解。

 

[12] 距離が大事なファクターであるが、とくに書籍であるので文化(宗教)や言語、歴史(宗主国と植民地の関係)も重要なピース。①がマレーシア。シンガポールとの関係。②がフランス。ベルギー、スイス、カナダいずれもフランス語が公用語の一つ。③がインドネシア。同じイスラム国であるパキスタン、旧宗主国であるオランダ。④がスウェーデン。距離的な近さ。言語(フィンランドを除きゲルマン系)、宗教(プロテスタント)も共通する。

 

[13] 地理Aでしばしばみられルパターン。国内線のキーワードは面積。オランダや韓国のように面積が小さな国ならば(オランダは九州、韓国は北海道とほぼ同じ)そもそも国内線が成立しない。①と②がこの両国に該当するだろう。

一方、③と④は国内線も旅客が多く、国土面積が広いことが想像できる。ポイントになるのは④の急激な伸び。とくに国内線は2000年代に急増した。これをインドの経済発展と結びつけるのは容易だろう。④がインドとなり、消去法で③がカナダ。

 

[14] 地理A限定。④が正解。シャンハイなど中国、韓国、台湾の港湾が東アジア海運交通の中心。日本の地位は相対的に低下している。とくに震災後の神戸など。

 

[15] こちらも地理A限定。②はさすがにありえないでしょ。朝鮮戦争はあくまで休戦中であって、形式的には2カ国はいつ戦争が再開されてもおかしくない。③も誤り。NAFTAはヒト(労働者)の移動については厳重に管理されており、国境の警備は厳しい。④も誤りだと思う。カンボジアの内戦は終結し、さらに二ミャンマーも民主化の道を歩み始めており、東南アジア諸国で現在紛争がみられるところはない。正解は①だと思う。航空交通や船舶交通も盛んであるが、高速鉄道の整備も進めてられているとみて、間違いないんじゃないか(詳しいことは知りません・笑)。

 

[16] ①はアラル海に関する事項。カスピ海には該当しない(実はカスピ海は逆に面積が増えているんだそうだ)。②の永久凍土については、ほぼシベリア全体に分布している。南限はシベリア南部のバイカル湖周辺。③は反対。低緯度で気温が高い上流部から融氷する。河口はまだ凍っているため、洪水が頻発する。④が正解。

 

[17] まず針葉樹で判定。この割合が低い①がブラジル。熱帯林は広葉樹である。

薪炭材は発展途上国で需要が大きいもの。残る3カ国で経済レベルが低いのはロシア。先進国のカナダやアメリカ合衆国で薪炭材の割合が大きいとは思えない。②がロシアとなる。

 

[18] モンゴルのチベット仏教が問われたパターンで、意外に難しいんじゃないかな。イの「チベット仏教」が主に信仰されているのはチベット自治区やモンゴルなど。Lが該当する。

アはトナカイで北極海沿岸のM。残ったウがK。カザフスタンであるが、中央アジア諸国は主にトルコ系民族から構成されている。正解は⑥。

 

[19] 写真がないから何とも言えないのだが、正解は④かな。ロシアは広く針葉樹に覆われている。シラカバ(針葉樹である)は豊富に得られるだろう。もっとも、シラカバが針葉樹であることを知らないと解けない問題ではあるが。ちょっと難しいかな。

①について。ロシアには一定数のイスラム教徒は存在している。

②について。ロシアは冷涼な気候に適応した穀物である大麦やライ麦、小麦の生産が多い。トウモロコシや米はほとんど栽培されていないが。

③について。19世紀ごろのロシアではフランスからの文化の流入が盛んだった。例えばロシアのバレエにはフランスの影響が強く見られる。

 

[20] これは難しいな。世界史の問題だよね。おそらくPのサンクトペテルブルクだと思うのだが。よくわかりません。

 

[21] すばらしい問題ですね、正解は④。サハリンとは北海道の北に位置する『矢』のような形の巨大な島。豊富な原油と天然ガスの埋蔵がみられ、ロシアや日本、アメリカ合衆国などの協力によって油田やガス田の開発がなされている。ただし、わが国からこれほど近い位置に豊富な資源が存在するにもかかわらず。日本への積極的な輸入は行われていない。パイプラインとは原油や液化天然ガスを輸送する水道管みたいなものだが、当然これも日本に向かって建設されていることはない。どうしてなんだろうね?日本にとって最もリアリティがあって低コストで資源が調達できる手段は、このサハリンからの原油・天然ガス輸入なんだが。これさえあれば、原発は要らないし、太陽光や風力のような効率の悪い発電も不要であるし、メタンハイドレートの開発も必要ではなくなる。経済面から考えれば理想的なパイプライン建設が、なぜか政治の場においては否定されている。

 

[22] これもいいですね。日本の企業ももっとロシアに進出するべきだと思う。ロシアの主要工場地域は国内の西部であり、ヨーロッパに近接したエリア。東部のシベリアは製造業の発達する地域ではない。④が誤り。

 

[23] これも良問!2000年地理B第4問問2の変形ですね。割合と実数からその地域の総人口を計算すればいい。

例えば④は、0.45億人が全体の10%に過ぎないので、地域全体の人口は4.5億人となる。いずれも概数に直して、計算してみた。

 

 

貧困人口

割合

総人口

4億

0.5

8億

6億

0.4

15億

3億

0.15

20億

0.5億

0.1

5億

 

4つの選択肢中、人口規模が大きいのは「東アジア・東南アジア・オセアニア」、「南アジア」の2つ。前者には中国やインドネシアなど多数の国が含まれ、後者は国数は少ないがインド、バングラデシュ、パキスタンが含まれる。

残ったのは2つであるが、さらに「サハラ以南のアフリカ」と「中央・南アメリカ」の人口規模を考える。アフリカ大陸で10億人の人口を有するが、主に乾燥地域からなる北アフリカはせいぜい人口は2億人程度。大陸の3分の2以上の面積を占め、人口大国ナイジェリアをも含むサハラ以南のアフリカは8億人ほどの規模であると考えて妥当ではないか。

一方、南北アメリカ大陸合計で人口は約9億人。このうち北アメリカは、アメリカ合衆国とカナダの合計で3.5億人。中央・南アメリカは5.5億人と概算される。

①をサハラ以南のアフリカ、④を中央・南アメリカと考えていいだろう。

 

(参考)世界の人口分布

現在の人口は70億人。60%の42億人がアジアに分布。

さらに8億人がヨーロッパ・ロシア、9億人が南北アメリカ、10億人がアフリカ。

残った1億人がオセアニア。

アジアが圧倒的に大きく、他の3つの地域はほぼ同じ、オセアニアは極端に人口が少ない、というように覚えてください。

 

[24] これは難しいな。1人当たりGNIを考えばいいんだが、インドもニジェールも同様に1人当たりGNIが低い国。判定しにくいな。

原則として識字率と1人当たりGNIは比例するので、サウジアラビア(豊富な資源により比較的経済レベルが高い)が「98」の①であることは間違いないと思うのだが。

ただ、ここからが難しい。②と③の違いって何だ?「初等教育における総就学率」がそれぞれ「113」と「98」なんだが、「15歳以上の識字率」が「63」と「86」で大きく異なる。これがよくわからないんだよなぁ。学校に通っているのに、字が読めない?だからここは「初等教育における教員1人当たり児童数」で考えるしかないのかな。人口過密国であるインドでは、小さな学校にたくさんの生徒が押し込まれているのかもしれない。そうなるとこの値はどうしても大きくなるだろう。でもそうなると④との差が不明になるんだなぁ。。。ウ〜ん、確信を持って答えられません。カンで②をインドとしたけれど、正直言って全然不明です。スイマセン。。。

 

[25] 「すべて」っていう言い方が引っかかるな。確認してみようか。おっと、イランを発見。みんなにはOPEC加盟国を知っておいて欲しいのだが、イランはその一つ。石油輸出国機構に属しているのだから、産油国であるはず。でもここでは5歳未満時死亡率が高くなっているね。③が誤りです。

 

[26] 地理A特有の問題だな。知識を問われちゃうとどうしても厳しい。③が誤りだと思う。長江は可航河川として現在でも重要な地位にある。

 

[27] 国連に関する話題は地理A特有。この大問は良問と地理A特有の問題との格差がすごいな。

ユネスコは、国連(UN)教育(E)科学(S)文化(C)機関(O)。これらがキーワードとなり、①が正解。

 

[28]〜[33] 地理Bと同じ。

 

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