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2016.11.27

【ヒト聴き惚れ】『Ev'ry Time Say We Goodbye(さよならを言うときはいつも)』/Ella Fitzgerald

ヒト聴き惚れとは】:一目惚れのように聴いた瞬間にとても心を揺さぶられたり、印象に残ること。
                        また、聴いたときはそう思わなくてもずっと耳に残ってたりすること。
                        そのように自分が感じた曲をご紹介したいと思います。

『Ev'ry Time Say We Goodbye(さよならを言うときはいつも)』/Ella Fitzgerald

Every time we say goodbye I die a little
Every time we say goodbye I wonder why a little

(さよならをいうときはいつも少しだけ死ぬ
 さよならをいうときはいつもなぜなんだろうって思う)

ニセコへ行った次の日の午前。
札幌へ戻る途中のNHKラジオでこの曲を聴きました。
『大友良英の音楽とコトバSTRANGE MEET TO YOU!』http://www.nhk.or.jp/radiosp/ootomomeetyou/
ゲストはいしいしんじさんという作家。

助手席でうとうとしていたら、
ギターの音楽をバックに何か物語の朗読が始まっていて。
確か楓の木の目線のお話で、それがついにギブソンギターになるっていう流れだったと思います。

それからラテンの曲(名前は忘れた)が流れたあと、
蓄音機(!)からSP盤のマイルス・デイビスが若いころ参加していたというセッション曲流れて、
そして同じくSP盤のこの曲でした。
どうやら、ゲストのいしいさんがそういったもの好きみたいです。

"SP盤"ってなんだろ~?ってお師匠にも聴いてみたのですが、
78回転で初期の頃のレコードうんぬんかんぬん。。。と続いてよくわかりませんでした。
なので、WIKIから抜粋すると、
SPレコード(78 rpm disc)は、1948年頃にプラスチックを材料にmicro grooveで溝を刻んだLPレコード (LP record) (long playing:LP)が登場して以降、それ以前の蓄音機用レコードをstandard playingと呼んで区別するようになり、これを略した呼び名でレトロニムである。
国際的には“78s”または“78rpm record”呼ばれることが多いが、これは多くのSPレコードが78 rpmを標準の回転速度としているからである。SPレコード初期の頃は、集音器(ラッパ)の奥に取り付けられた振動板で直接針を振動させてレコード原盤にカッティングする、「機械式吹き込み」(「アコースティック録音」あるいは「旧吹き込み」とも呼ばれる)で録音された。機械式吹込みでは、演奏者がラッパの近くに集合し、エンジニアの指示に従って演奏中にラッパとの距離を調整したり、大音量を発するシュトローヴァイオリンを使って演奏するなど、演奏者にとって不自由が多かった。<
https://ja.wikipedia.org/wiki/SP%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89>
正直、よくわからないです

ただ、ラジオの会話の中で、「SP盤だとソロイストが前に出てきているのがわかる」というようなことを言っていたので、
それは上記文で言うところの、"~機械式吹込みでは、演奏者が~"の部分だと思われます。

ラジオの中で、
いしいさんは"この曲を聴くと、泣きそうになる。エラはこの曲を吹き込む前に曲と同じようなことが身に起こったんじゃないか?とても歌詞を丁寧に歌っている"とおっしゃってました。

この曲は以前紹介したコール・ポーターの曲です。
『五線譜のラブレター』という、コール・ポーターと妻リンダを題材にした映画の中で、
妻リンダが亡くなった葬式の中でこの曲が流れます。

自分の作った曲を誰かが歌うことに関して、コール・ポーターはとても厳しかったそうです。
エラ・フィッツジェラルドが彼の歌の数々を歌い『コール・ポーターソングブック』として収録したとき、
「なんという声の持ち主だろう」と彼はOKを出したそうです。(ジム・ハスキンズ著『エラ・フィッツジェラルド』より)

私個人は、『コール・ポーターソングブック』を敬遠していました。
スキャットなどの”技”がほとんどないからです。
歌を丁寧に歌っているのを聴くとジャズって言っても”歌”なんだよな~。
まず歌を歌ってこその技なのかな~ってちょっと思い直しました。

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