インドネシア・ソロの障害児奨学金
インドネシアの貧しくて障害のある子どもの教育
子どもは、どの国においても社会を維持し、国家を存続させるためにはなくてはならない存在です。そして、教育はその子ども達にとって必要不可欠なものです。しかしながら、インドネシアの現実は多くの子ども達、特に障害のある子ども達が充分な教育を受けるには至っていません。
インドネシアでは障害のある子ども達のための教育施設の多くは都市に集中していますが、多くの障害のある子ども達は都市から遠く離れた村に暮らし、経済的にも恵まれない状況にいます。1997年からの経済危機により、特に障害をもつ子ども達への教育が低下してきています。一例として障害のある子どものための学校では生徒の人数が減少してきています。これは、障害のある子どもが少なくなったためでも、学校に対する興味がなくなったためでもありません。学校が遠いことや、家族の経済的な理由からなのです。インドネシアの義務教育は教科書代や備品代等の費用がかかります。行政の補助はなく費用がはらえなければ学校には行くことができません。
目的と対象の子ども達
インドネシアのソロ市のCBRセンターでは、障害のある子ども達の就学体制づくりをしてきましたが、新たにJ2ジャパンとともに貧困家庭の障害のある子どもや、親に障害があることで経済的に逼迫している家庭の子どもへの奨学金の支援を行うことになりました。辺鄙な地域ですから特別な教育のできる養護学校ではなく、公立学校の障害児学級や普通学級での教育が主です。
奨学金の目的は① 教育面において、障害のある子どもの生活基準を向上させる。 ② 普通の学校でも、障害児のための学校でも、障害のある子どもが教育を受けられる機会を広げる。 ③ 教育を通して、障害のある子どもの可能性を広げる。 ④ 障害のある子どもをもつ親の負担を軽減する。
奨学金の対象は① 障害のある子ども、または親が障害者の子ども ② 月収20万ルピア(約2410円)程度の低所得家庭 ③ 地方在住の教育を受けたい、続けたいという意志のある者です。
※ CBRセンターとはcommunity based rehabilitation の頭文字を取ったものです。「地域に根ざしたリハビリテーション」という意味で、医療や教育、福祉などで専門的支援が必要な人々を、特別な施設がなくても、地域で支えるというものです。開発途上国での障害のある人の自立支援の有効な方法とされています。
CBRは国連の主導により、国際障害者年の1980年頃より世界中に広まりました。しかし、インドネシア・ソロ市のCBRセンターは、それ以前の約20余年前から地域で障害のある人々への支援を行っている歴史あるNGOです。支援内容は幼児健診から所得保障、医療支援まで様々で、現在は24の村々で展開しています。
支援の方法
奨学金の金額は1口10,000円です。参加には2つの方法があります。
① 長期に支援する方法 ② 1年単位で支援する方法
子ども達の教育は単年で終わるものではありません。小学校・中学校の義務教育も9年かけての卒業となります。これをふまえて、長期のご支援の方をご検討いただければ幸いです。いずれの場合も、奨学金の報告が掲載されているJ2ジャパンのニュースレターをお送りします。また、子ども達と会うツアーを考えていますし、単独に訪問される場合の手配をいたします。