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2021.03.05
J2netが見てきたインドネシアの図書事情23年
<J2netが見て来たインドネシア図書事情23年>
2016.05.06
Bibit-Bunko 新しい本を文庫に配布
J2netの1グループとして活動している「Bibit-Bunko」からの報告です。
Bibit-Bunkoの名前はインドネシア語の「Bibit = 芽」と日本語の「Bunko = 文庫」から成り立っています。活動目的は「子どもの集まる場所に文庫を設置し、子どもが本を読める環境を作り、周囲の大人たちへも本の重要性を理解してもらえるよう働きかける」ことです。
Bibit-Bunkoが活動を始めたのは2006年4月。日本の「(財)ひろしま・祈りの石国際教育交流財団」から受けた助成金で本を購入しました。それまでJ2netのメンバーはいろいろな活動を通して、インドネシアの子どもたちが本に接する機会が少ないことに気付いていました。そこにこういったチャンスが巡ってきたのです。
活動を始めるに当たり、まず文庫を設ける場所10か所を選びました。
障がいのある子や孤児の施設、設備の整っていない小学校、地元の方が自宅を開放して子どもたちの居場所を提供しているところ。これら10か所の責任者に集まってもらい、文庫の役割、管理・運営方法、読み聞かせや紙芝居についてなど、セミナーを開きました。そして文庫1カ所につき250から300冊の本を届けることができました。
それからほぼ10年。昨年末、「P.T. TOSO INDONESIA」からCSRの一環としてBibit-Bunkoに多額の助成金をいただきました。おかげさまで、1000冊弱ほどの本を購入することができました。
もちろんそれぞれの文庫には調査に行き、今どんなふうに運営されているか、本の傷み具合、子どもたちが良く読んでいる本、まったく読まれていない本、今後どんな本が読みたいか等インタビューをしました。そして選んだ本は、絵本、小さな子ども向けの読み物、本に不慣れな子へ導入の役割を果たしてくれる有名キャラクターの本、飛び出す絵本、小学生向けの物語、地図、科学の本、施設スタッフや保護者用に大人向けの読み物、手芸・料理・服飾関係の本など。1冊1冊にスタンプを押し、配布先ごとに仕分け、そしていよいよ配布です。
・「Yayasan Nur Abadi」は聴覚障がい者特別支援学校で、新メンバーを含め5名で伺いました。所在地はパサールミング。図書室が整備されていて、子どもたちは良く本を読んでいます。今回は子どもたちの本をたっぷり、送り迎えにみえるお母さんやスタッフが読める本も併せて届けました。
・「Yayasan Aulia」は北ジャカルタで貧しい地域の子どもたちに移動文庫活動などを行っているNGOです。毎週決まった曜日、決まった場所、車で行けない所にはバイクで入って行きます。バイクだと3つの布袋が精いっぱいで、その中に本を詰め込み子どもたちのところまで。貸出ノートを作り、読み聞かせも行っています。絵本や読み物、スタッフ用の本も届けました
。・「Perumahan Ibu Ani Husni」。ビンタロの住宅地で自宅を開放し、近隣の子どもたちがそこでイスラム教の勉強をしています。今回、新しい本をとても喜んでくれました。送り迎えのお母さんたちに読んでもらえる本も届けました。
・「Yayasan KDM」。ストリートチルドレンを保護し自立を支援する施設です。勉学、共同生活、職業訓練の施設を備えています。
・「三輪バイク移動図書館」。2014年5月、チアンジュール方面の農村地区で活動を開始しました。狭い道にはバイクが有効です。
・プンチャック方面の小学校3校には、読み物、図鑑や科学系の本などを中心に届けます。
これらの場所に新しい本が届いた時の子どもたちの顔、その本を読む子どもたちの姿を想像すると嬉しくなります。
本を読めば知識が得られます。でもそれだけではなく、考える力、想像する力、困難に立ち向かう勇気、将来への希望、生きていくための知恵などが子どもたちの中に芽生えます。それが大きな木になるのをじっと見守りたいものです。