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2015.04.25

ワークショップ『遊びは学び』開催しました

 前号でもご紹介した砂場のあるアルファティ幼稚園にて、Jnet主催による先生の為のワークショップ『遊びは学び』を行いました。 

 インドネシアでは幼稚園教諭の教育システムがまだまだ十分とはいえず、先生方も日々不安を抱えながら子どもたちに接しています。砂場の導入にあたって、幼稚園の先生や関係者と関わる中、日本の幼児教育の方が発達しているだろう、どんな事をしているのか?今の私たち は正しいのか?等々の声が方々からたくさん聞こえてきました。幸いな事に、Jnetには日本で幼稚園教諭の経験のあるメンバーがおり、彼女が先頭になって、アルファティ幼稚園近隣の幼稚園教諭40名を対象に盛況なワークショップを開催する事になりました。

 

 ワークショップの内容です。前半は先生方の現在の指導内容をマインドマップでまとめてもらい、その後日本の保育の様子をビデオで見ながら、わずかですが現状を見てもらう。後半は折り紙や新聞ボールのヨーヨーなどを実際に作ってもらい、体験しながら笑いも満載のワークショップとなりました。

 印象深かったお話をひとつ。「逃げたライオンを檻に入れるため、紙を貼って閉じ込める」事になりました。縦にきちんと並べて貼って檻を作った子と、ライオンの顔の上にぐちゃぐちゃに紙を貼って顔をふさいだ子、先生はこれをどう判断すれば良いでしょうか。

 私が先生ならば、まっすぐに貼った方が正しいと言うでしょう。インドネシアの先生たちもこのまっすぐの線の絵が正しいと言いました。でもこの場合どちらとも正しいのです。まっすぐでも斜めでもグチャグチャでも、一番大切なのは想像力を使う事だと。

 大人の思考や現実の正しさよりも、この時期の子どもには子ども自身の想像力や感性を大事にしなければいけないのです。

 インドネシアの幼稚園では、小学校に上がる前の予備教育として、読み書きそろばんを教える事が一般的で、また親御さんからも強く求められるそうです。なので先生は1+1=2を、線はまっすぐに書けるように、字はきれいに書く事を子どもたちに教えようとします。でも子どもは面白くなければ飽きてしまいます。イヤイヤやるから出来ない、自分はできないのだ、と気持ちが折れてしまいます。そこで大切なのは今回のテーマである『遊びは学び』なのです。折り紙やヨーヨーを作る事は単純ですがとても楽しいです。

 この楽しかったという感覚と達成感。人間が生きていく上で一番大切な生きていくための原動力だと思います。練習帳に何度数字を書いても覚えられないのなら、新聞ボールを使って転がしながら、投げながら覚えればいい。心と体をつかって想像力と刺激を与える事、遊びながら学ぶ事によって子どもたちはどんどんと良質な栄養を吸収していきます。

 今回のセミナーで先生たちがどのように受け取ったか、翌日からすぐ実践できるか、それはわかりません。伝えたかった事は”ただ遊んでいるだけに見えることもすべては子どもたちにとって意味のあること”なのだと、先生方に自信を持ってもらいたい。そして子どもたちの可能性を信じてたくさんの良い遊びを与えてあげて欲しいということです。いつの日か、あの時言ってた事はこうゆう事か〜と思ってもらえたら嬉しいですね。

 

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