霧×ツルヤ―ライブについて、CDショップ店員として

≪お話のお相手≫霧さん…某黄色い大型CDショップ新宿店に4年半勤務している、20代の女性。勤務中の名札に書いている好きなアーティストはFoZZtoneと9mm Parabellum Bullet。『NEW WORLD』からFoZZtoneのポップを担当。店頭で大型展開しているポップなども多数制作している。
収録日:2014年3月15日(土)22:30~ @東京都世田谷区

――初めて行ったライブって何だったか分かる?

「覚えてるのだと、高校1年か2年くらいに、日テレのフリーライブにDEPAPEPEを友達と観に行ったのが最初ですかね」

――それは何で…自発的に行ったの?

「そうですね、“行きたい”って思って」

――DEPAPEPEはどこで知ったの?

「『sakusaku』(tvkの人気音楽番組)に出てて…私はtvk(テレビ神奈川)に人生を狂わされた人間なんですよ」

――(笑)。

「狂わされたってゆうか、人生を変えられた(笑)。なんならFoZZtoneとか9mmとかもtvkで知ったので」

 ――すごいなぁ。その後はどうゆうライブに行ったの?

「でも、まだその頃はライブハウスがあるってゆうこともよく分かってなくて。次に観に行ったのがオーノキヨフミさんってゆうシンガーソングライターの方で、同じく『sakusaku』に出られてて知ったんですけど。そのオーノさんが川崎ラチッタデッラの広場でよくフリーライブをされてたんですよね。やっぱりフリーライブだと敷居が低いじゃないですか。初めてライブハウスに行ったのもオーノキヨフミさんでしたね、渋谷のクアトロ」

――それは、フリーライブを見続けて“じゃあ行ってみよう”ってなったの?

「そうですね、フリーライブも数回しか行ってなかったんですけど、高校の図書室にチケットぴあの雑誌が置いてあって。それが高3の5月とかなんですけど。それでオーノさんんのライブを見つけて、友達と一緒に“行こう!”ってなって。割と一大決心ですよね」

――だよね! 高校生の時にライブ代とか高いよね、3,000円とか。

「そうですね…、それで高校生の時にそのライブに1回行って。受験があってその後はしばらく行ってなかったんですけど、短大に入ってからまた行き出しましたね。それもオーノキヨフミさんで渋谷のBOXX。その次に、FoZZtoneのインストアライブを観に行ってますね」

――いきなりフォズ来たね(笑)。

「(笑)。『カントリークラブ』のリリースのタイミングですね。FoZZtoneは、tvkのお天気コーナーで『エレベーター』のPVが流れていたのをなんとなく覚えてたんですよ。その時は気になる止まりだったんですけど、しばらくしてから今度は『黒点』が流れ始めて。そこから聴くようになりましたね。ただ、ライブハウスに通うようになったきっかけは間違いなく9mmですね」

――9mmもtvkで知ったんだっけ?

「はい(笑)、PVを流す番組で観て。その前から音楽フリーペーパーとかで名前は見てたんですけど、“なんか読めない名前のバンドがいる”って(笑)。最初はだから、そのバンドだなぁってくらいで眺めてたんですけど、3回目にその番組を観た時に衝撃が走って。“なんだこれは!?”って(笑)。でもチケットの取り方も分かんなくてレコ発行けなくって…。MTVのイベントをAXでやった時に2階席のチケットを取って行ったら、いきなり1階がもみくちゃになってて。それを見て、“ああ、1階に行きたい…”って思ったのが全ての始まりかもしれないです(笑)」

――素質があるタイプだ(笑)。いちばん多い時って、年に何回くらいライブ行ってる?

「でも、去年の40回ですね」

――CDショップに勤めようって思ったのは、やっぱり自然な流れだった?

「実は就活で真っ先に今のところにエントリーして、真っ先に書類選考で落とされたんですよ。その後も1年くらい就活したんですけど失敗しちゃって。卒業してちょっとしてから新宿店のアルバイトに受かって、今は社員ですけどそれから4年半。就活に失敗しなかったら、私は今これをやっていなかった(笑)」

――どうですか? CDショップで働くっていうのは。

「好きじゃないとできないなっていうのは実感してますね。でもやっぱり、働いててすごい良いなって思います。うちは大きいお店なんでアーティストさんが来てくれたりってゆうのももちろんあるんですけど、それより新宿のあの一等地のスペースを借りて自分の好きなバンドを全力で推せるってゆうのが、もう本当に!!」

 ――そうか、それはすごいよね! やりがいわるわ!

「確かに、そんなに詳しくないアーティストのポップとかも書いたりするんですけど、逆に書いたことによって興味を持ってライブに行くようになったりとか。長く続けてると宣伝の書き方とかも分かってきて、培われてきたものがあるなぁって。FoZZtoneの『NEW WORLD』が発売された時にまだバイトで書き慣れてもいなくて、試聴機1ヶ所にしか入ってなくて本当に小さなポップから勝手も分からずスタートしたんですけど、本当に酷かったですね。デザインは凝ってるけど中身が無いみたいな」

――ポップを書く時に気をつけてることとかある?

「正しい日本語を…(笑)。他には、最初はレビューみたいにかしこまったシュッとした文章を書こうと思ってやってたんですけど、私情を挟んだ方が共感してもらえるんだなって気付いて」

――そうか、いろいろ試行錯誤した結果で熱で押す文章になるんだ!

「たとえばセカイイチとFoZZtoneの『バンドマンは愛を叫ぶ』なら6曲入ってるじゃないですか。その中でも“この曲はこうだからオススメ!”みたいにやるのがいちばん伝わりやすいですね。時間が無い人でも、じゃあこの曲だけ聴いてみるかって。実際にはこないだは勢いで全曲書いたんですけど(笑)。独りよがりになってないですかね?」

――やっぱり出来合いのポップがちょっと置いてあるだけより、あれだけ手の込んだ展開があればアーティストもファンも嬉しいよ!

「ありがとうございます! 今年に入ってからフォズヘッズの方と知り合う機会が増えて、セカフォズの展開に対して色々反応を頂けてすごく嬉しかったです。ファンの方がどう思っていらっしゃるかは普段は分からないので…。FoZZtoneのメンバーさんやスタッフさんはリリースの度にお店に来て下さったりTwitterで展開の写真載せて下さって本当に感謝しかないです。書いてて分かるのは、自分の好きなアーティストだとライブとかも観てるのでいろんなネタを拾えるし。それこそ今回のセカフォズ(セカイイチとFoZZtone)だと、『バンドマンは愛を叫ぶ』のリリースまでに会場限定のCDを買って聴き込んで、3回ライブを観てるんですよね。そりゃあ書けますよね(笑)」

――この先、やってみたいこととかってある?

「でも今、仕事をしていてやってみたかったことがいくつか実現できてて、FoZZtoneの大きい展開を作りたいとか、うちでイベントやって欲しいとか。入荷に関してはバイヤーさんのおかげで、そこは私は決められないので、FoZZtoneの展開をあの規模でやらせてくれたバイヤーさんにも感謝です。新宿店のお客様でもっとFoZZtoneのことを好きな人を増やせたらいいなって…それはどのアーティストも一緒ですけど、地道にやっていきたいですね」■

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