タカ×ツルヤ―ライブ、ギターについて

≪お話のお相手≫タカくん…人生初ライブがFoZZtoneとセカイイチの2マンという生粋のフォズヘッズ。ギターの師は竹尾典明さん。2013年10月に開催されたFoZZtone10周年打ち上げでは、メンバーと共演を果たす。

収録日:2014年2月9日(日)20:30~ @東京都世田谷区

――定番の質問は、“初めて行ったライブは何ですか”っていう。

「それですよね」

――それですね(笑)。

「僕はもうこれを喋りたくて…喋りたくてというか、ここから愛が始まった(笑)」

――(笑)。

「2011年の7月18日に下北沢のCLUB QueでFoZZtoneとセカイイチが対バンした夏の陣っていうイベントがありまして、それが人生初のライブですね。もともと家にセカイイチのCDがあって…それは母と妹が買ってきたんですけど。渋谷で路上ライブをしていたバンドの人たちがセカイイチを薦めていたみたいで。それで『folklore』ってアルバムが家に来たんですよ」

――女性陣が好きだったんだ、そういうバンドとか音楽が。

「そうなんです。母が音楽をけっこうやってて…プロとかそういうんじゃないですけど、学生の時にオーケストラやってて。趣味でピアノとかギターもやっていて。妹もピアノをやっていました。それで家で流れてたセカイイチが良くて、“ライブに行ってみよう”って思ったんですよ」

――お母様とか妹さんはライブにはもう行ってたの?

「その1年くらい前から、たまにライブハウスに行ってましたね。それで僕も行ってみようかなって。なので最初はセカイイチ目当てで行ったんですけど、全然知らないで観たその時のFoZZtoneの『ENEMY』が本ッ当にカッコ良くて。歌ってる人を生で観たの初めてだったんですけど、その時の渡會さんの全身全霊の歌唱を観て、“あ、「歌う」ってこういうことなんだ”と感動しちゃって。ちょうど『NEW WORLD』が出たばっかりだったので物販で売っていて、その場ですぐ買っちゃいました。家に帰って聴いたら本当に良くて。素晴らしいなと。そっからハマってCD買い漁りました(笑)」

――それまでそういう好きになり方をしたバンドっていなかったの?

「FoZZの他には無いですね。ライブを観たのがまず初めてだったので。中高生の頃にスピッツとかBUMPとかは好きで聴いてましたけどね。ポルノとかGLAYとかミスチルとかも友達から借りたりして。BUMPは『ユグドラシル』から入ったんですけど、実はそのCDを買ってきたのも母だったんです(笑)」

――すごいなお母さん(笑)。でもそこで土壌はあったんだ、バンドに対して。

「そうですね。でもFoZZの曲は全部好きで、他のバンドのアルバムだと必ず自分にはうまくハマらない曲が1~2曲あることが多いんですけど、FoZZはダメな曲が1曲も無くて。全部ストライクです。本当に大好きです。7月にFoZZを初めて観て、8月にはCDを全部買い揃えて、秋にはもう大学の友達に薦めてるんですよ! すごいですよね(笑)」

――すでに布教に入ってる(笑)。

「去年の夏の八丈島のライブ(旅の音まつり)も、大学の北海道での発掘がかぶってたのに行っちゃいましたからね。大学院生にあるまじき(笑)。いや、一応大丈夫なように日程を調整したつもりだったんだけど、実はやっぱり単位がダメだったっていう(笑)。赤坂BLITZの時も石川県での実験がかぶりそうになったんですけど、それも先生と相談して日程を調整してなんとか確保しました(笑)。ライブを中心に予定を組む(笑)」

――竹尾さんにギターを習い始めたのっていつから?

「たぶん2012年の夏…FoZZを知って1年くらいの時ですかね。でもそれこそ最初にCLUB Queで観た時は竹尾さんが怖くて(笑)。そもそも高校時代って僕、ライブに対してすごい悪いことみたいな印象があって」

――ああ! 怖いよね(笑)。

「だからちょっと“悪い子の遊び”じゃないですけど、そういったイメージがあったんですよ。しかもその時の竹尾さん、髪の毛すごい長くて帽子目深にかぶって、ドヤ顔でギターを弾く得体の知れない兄ちゃんで(笑)」

――そっか、まだ髪切る前か(笑)! ギターやろうって思ったのは何だったの? それまで吹奏楽はやってたんだよね?

「吹奏楽は高校大学とやっていました。母がやっていたのもあって中学の時はピアノをちょっと習ってたりしたんですけど、ギターには興味を示さず。BUMPとか聴いてもやってみようとは思わず。でもFoZZを観てからやってみようかなと思いました。竹尾さんを観て、というか生のバンドを観てなんですかね? あとはもうFoZZの曲がすごい好きで弾いてみたいなと思ったのがあります。で、2012年の1月くらいにそこそこ良いアコギを買って。それをレッスンで使ってたら竹尾さんに“良いギターだね!”って誉めてもらえてちょっと嬉しいんです(笑)。だから、そんなギターを買っちゃったので、頑張ってみようかなと思って。今でこそ竹尾さんと普通に喋れますけど、当時はもう緊張して(笑)」

――やっぱプロに教えてもらうと…どう?

「教え方はすごい上手くて…ただ僕の方がその、やっぱり毎日弾かないといけないし、急に上手くなったりはしないので。根気よくやんなきゃいけないんですけど、それが難しいんですよね。頑張んなきゃ」

――うん。

「竹尾さんはすごく丁寧で優しいし、教え方もすごく上手です。しかもやっぱり自分のやり方に自信を持っているというか。“無駄を省く”“力を入れない”…あと“左手に目が行きがちだけど、大事なのは右手だ”と。左手は最初は指動かないけど、練習をすれば誰でも動くようになるからって。本当に大事なのは右手のストロークだと。左手で単純なコードを押さえてるだけでも右手次第でいくらでも表現はできるからって。右手を観れば上手い下手が分かると。なるほどなって思ったのは、“左手は言葉、右手は喋り方”って言ってたことです。」

――ああね! すごいね、それ! なるほどね!!

「言葉の数を知ってても、喋り方が下手だと伝わらないし、喋り方が上手ければ言葉が拙くてもカバーできるって」

――うわー、すごい竹尾さん! 尊敬する!

「いやぁすごいですよ、竹尾さん。教育者と言うか、すごーくギターに対して誠実で。今、竹尾さんと同じピックを使ってるんですけど。ピックっておにぎり型…渡會さんとかが使っているのとか、ティアドロップとかがありますよね。竹尾さんはティアドロップの中でも更に小さいスモールティアドロップっていうのを使っていて。竹尾さんの話だと弦に対して本当にピックの先っちょが当たっていればいいと。そうするとおにぎり型だとすごい場所が余って邪魔なんですよね。だから竹尾さんは以前はおにぎり型を自分で切って小さくして使ってたらしいんですけど、セカイイチのうっちー(中内正之さん)がスモールティアドロップを使ってるのを見て、借りてやったらすごい弾き易くて、それから使ってるって言ってました。まぁ自分に合うのが良いしガチャガチャ変えずに慣れてるのが良いってことで僕は長くおにぎり型を使ってたんですけど、去年の秋くらい…割と最近ですね。それくらいにどうにも上手くいかなくて、その時に“ピックを変えてみたら? 試しにこれ使ってみなよ”って貸してくれて。厚さは0.45mmで今まで使ってたのと一緒なんですけど、形が違うだけですごく弾きやすくて。“ああ良いね、それあげるよ”って言われてピックもらったんです! その時のレッスンの時はそのままそれを使ったんですけど、そんなものを…ねぇ? 使い古すわけにはいかないので(笑)。自分で同じものを買って、竹尾さんにもらったものは大切に保管してあります(笑)。まぁこのピックが本当に自分に合ってるかもまだ分からないけど、しばらくはこれで練習していこうと思っている次第であります」

――いい話だわぁ(笑)。この後、修士論文だったり就活だったり色々あると思うけど、ライブに行ったり、あとはギターもしばらくは続ける感じ?

「そうですね、ライブはどうしても数は減っちゃうと思うんですけど、今までみたいに予定を無理やりでも調整して要所要所は押さえていきたいですね。ギターもいつまで習い続けるかっていうのが難しいんですけど。それでも、教われる間はずっとやっていきたいですね」■

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