合氣道真生会川崎高津道場 活動報告

2024.10.20

二子神社で演武を行いました

2024年10月13日(日)、神奈川県川崎市の二子神社例大祭において演武を行いました。

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二子(ふたこ)神社はいつも自分たちが稽古している高津の道場からは徒歩10分といったところで、神奈川県の北東端に位置し、すぐ側を流れる多摩川を越えればそこはもう東京都世田谷区です。今年は10月12日(土)、13日(日)の例大祭において御神輿の渡御などの神事が執り行われ、本殿隣の広場には屋台が並び、特設ステージでは自分たちの演武の他に、歌唱、ダンスなどのパフォーマンス、空手、テコンドーの演武が行われ、穏やかな秋晴れの下、とても賑やかな催しとなりました。

自分たちの演武は13日(日)16時からのおよそ30分間で、昼間のステージの最終演目でした。ステージの広さは横5m少々×奥行き2.5mほどで、畳ならおよそ八畳といったところです。ただ、仮設ステージは強度に不安があり、畳やマットのない板床で負傷の恐れもあるため、大きな投げ技などは練習段階から行わないことにしました。加えて今回は、それぞれの都合により参加できたメンバーが自分(吉見)の他に小松さん(初段)と三船さん(一級)の3名のみと少なく演武の数は少なめであったため(なお、三船さんはフラダンスでも出演し、二刀流のご活躍でした)、途中途中で説明を加える形を取りながら体さばき練習法、基本技及び応用技練習法、短剣取り、剣対杖及び杖対剣の後、自分が杖の形と説明演武を行いました。

連続掛かり稽古方式での体さばき練習法では横面と切り上げの体さばき、連続の突き、横面の体さばき、二人掛かりの体さばきなどを行い、同じく基本技及び応用技練習法では正面打ち一ヶ条、片手取り四方投げ、二人取り二ヶ条などを、三船さんによる短剣取りでは突き二ヶ条、横面打ち五ヶ条などを、小松さんによる剣対杖及び杖対剣は、普段練習している基本的な形と少しアレンジを加えた形など合計9本を行いました。剣杖については、後で演武を見てくださっていたテコンドーの先生から「合氣道で剣や杖を使うとは知らなかった」というお話しを伺い、少なくとも一つは行った意義があったと思いました。世間一般では合氣道は徒手のみの武道だと思っている方の方が多いようですが、本来の合氣道は武器技や対多数者の技を網羅したより幅の広い武道であり、合氣道の武器技は開祖が青年期から老年期に至るまで長年に渡って研究を続けて創出した合氣道に不可欠のものです。合氣道の技は、徒手技であっても武器の存在を想定しなければ理解できないものが多くあります。真生会の武器技は開祖から先師へ、そして先師から濱田師範長へと伝えられた大切な技ですから、自分もしっかりと受け継いで修練を重ね、伝え続けていきたいと思っています

説明演武ではいくつかの技の例を示しながら、合氣道が「合氣とは愛なり」という和合の精神に根差した武道であることを強調してお伝えさせていただきました。観覧者の中には、「へー、そうなんだ」と思っていそうな表情をされている方々もいらしたので、何かしらはお伝えできたかな…と感じています。本来であれば更に呼吸力の説明を十分行いたかったのですが、御神輿が予定より早く戻って来ることとなったらしく(ステージ下のスタッフの方からハンドサインで知らされました)、その会場準備のため、時間がなくなってしまったことが残念なことでした

それにしても、本来このような公開の場での説明演武などは正規の師範を招いて行っていただくべきことではないかと思います。しかし諸事情でそうもいかず、自分のような端下の未熟者が大それた役割を演じなければならないことは甚だ恐れ多く大変恥ずかしいことでした。つまらないものを見聞きさせてしまい、ご観覧いただいた方々に対しても真生会に対しても、本当に申し訳ない限りです。

演武の後は、神社の最寄駅である二子新地駅前の居酒屋に席を移し、別の方が撮っていてくださった演武の動画や写真を見ながらささやかな慰労会を行いました。数十人の観客を前に、いつもとは違う環境で緊張や不安もある中、いくつかのミスもありましたが、怪我などもなく、日ごろの稽古を生かした演武ができていたと思います。観覧者や運営スタッフの方々からも「いい演武だった」「合氣道のことがよくわかった」といったありがたいご感想をいただきました

また今回は、神社という日本古来の信仰の場において演武を行えたことも自分にとって大変嬉しく、ありがたいことでした。開祖も、そして先師も濱田師範長も、日本の神々への信仰をとても大切にしておられました。自分はいずれの宗教の信者でもありませんが、伝統文化には関心が強く、神社も寺院も日本の歴史、古来の人々の生活、そして武術・武道の技や心の在り方においても重要な役割を担ってきた大切なものと考えています。そして、演武を行った13日は先師の月命日に当たります。拙い演武ではありましたが、天の先師に捧げることができていたら幸いです。

例大祭の開催に尽力してくださった方々、演武を見てくださった地域の方々、常にご指導・ご助力をいただいている合氣道真生会の皆様、共に演武に参加していただいた道場の仲間たちに心から感謝致します。

~ おまけ ~

ところで、今年の大河ドラマ「光る君へ」を見ていると(今からおよそ千年前の平安時代中期が舞台のドラマです)時々我々の合氣道を感じさせる動作や技が目に止まります。以前には後ろ肩取で相手を前に転ばせる動きがありましたし、最近の放送では杖を左右で回転させる形がありました(その合間に地面に輪を描きながらくるっと回転するところもちょっと似ていました)。もしかしたら制作スタッフの中に現在、または以前の同門の方がいらっしゃるのかも…?。


もう一点、その杖の形を厄払いの辻祈祷で行っていたことも印象的でした。実際にそういった厄払いの方法があるのかはわかりませんが、合氣道には体操のはじめに行う舟漕ぎ運動や四方切りなど、禊(みそぎ)、祓(はら)いとして心身や周囲の邪気を清める意味を持った所作が少なくありません。もし杖の形にもそのような意味合いがあるのだとしたら、それは非常に興味深いことだと思います。更に言えば、開祖の道歌の中に「たま(魂)の志づめや、みそぎわざ」とあるように、特定の技や所作に限らず合氣道の全てが鎮魂の法であり修祓(しゅうばつ)の法であるということは、「合氣道とは何か」と考える上で、忘れてはならないことであると思います。

合氣道真生会川崎高津道場 吉見新


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